「誰が何を着たっていい」ユニクロが提案する新・ボーダレスファッションとは

ファーストリテイリングが展開するユニクロは、性別・年齢・国籍のステレオタイプを壊す「新・ボーダレスファッション」を発表。スクール事業を展開するバンタンの学生と協業で、ユニクロの商品を使用した24のスタイリングを提案している。展示は、ユニクロ銀座店で8月31日まで。


“こうでなきゃいけない”を壊すスタイリングを24パターン提案

この企画は、ファーストリテイリングが2020年にスタートした次世代教育プログラム「UNSTEREOTYPE School」プロジェクトの一環。UN Women(国連女性機関)が組織する「#UNSTEREOTYPE ALLIANCE」のグローバルメンバーでもある同社が、学生とともにジェンダー平等の実現などを目指す取り組みだ。バンタンは2021年2月から参加している。

ステレオタイプも否定しない


今回提案した「新・ボーダレスファッション」のテーマは「Gradation(グラデーション)」。「ステレオタイプを否定するのではなく、ステレオタイプもアンステレオタイプも肯定し、双方をグラデーションでつなげたいという思いで制作した」(バンタン学生)。

学生らの提案をもとにユニクロ グローバルIMD部の監修で制作されたスタイリングは、男性にレディースの洋服を合わせたり、大人にキッズの服を合わせたりと、自由なミックスが新鮮だ。ファッションを学ぶ学生らが手がけたことで、アンステレオタイプでも“違和感のない”スタイリングに仕上がっている。


参加モデル(左)とバンタンの学生。ユニクロ銀座店の展示前で

企画過程では、同社サステナビリティ部のスタッフと約40人の学生とが2日間のワークショップを実施。「ステレオタイプ」について議論したのちに企画コンペを行い、そこでの優秀作が形になった。同部ソーシャルイノベーションチームの澤田祐宜は「今回、ステレオタイプについて改めて考える良い機会になった。お客さまへの新しい提案に生かしていきたい」と話す。

ユニクロの店頭では通常、メンズ・レディース・キッズなど、年齢や性別ごとにエリアを分けて商品を陳列している。ただ、近年はオーバーサイズの洋服がトレンドになり、一部のメンズ商品は女性客からも支持を得ていることから、店舗によってはレディースエリアにメンズ商品を陳列する例もある。同社は、「買い物のしやすさの観点からエリアのミックスは考えていないものの、今後も多様な顧客ニーズに対応できる売り場づくりに努めていく」としている。

文=田中友梨

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