大谷翔平は英語を話すべきか、米スポーツ界で激論勃発

Rob Tringali/MLB Photos via Getty Images

米スポーツ局ESPNの著名アナリストのスティーブン・A・スミスは7月12日、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が英語の通訳を介してメディアと話すことを好むことは、「ゲームに悪い影響を与える」と発言した。しかし、他のジャーナリストたちは、彼の発言がゼノフォビック(外国人嫌悪)であり、不適切だと指摘した。

スミスは、メジャーリーグがテレビの視聴者数や球場での観戦者数を伸ばしたいと考えている中で、「野球の顔である選手が、通訳を必要とするような人物であることは、助けにならないと思う」と述べた。

彼はさらに、スター選手を通訳に頼らせることで、彼らがアメリカ人と親密な関係を築くための能力が損なわれると主張した。

スミスは、野球の顔となるべき選手は「ブライス・ハーパーやマイク・トラウトのような人物であるべきだ」と述べ、「残念ながら現時点ではそうではない」と話した。

スミスの同僚のマックス・ケラーマンは、その場をとりなそうとして、「大谷が米国出身ではないことが問題なのではない」と述べつつ、「彼が英語を学ぶべきだと言いたいのであれば、私も同意見だ」と付け加えた。

スミスは12日の午後遅くにツイッターに動画を投稿し、「世間の人々は、スター選手の市場性とプロモーションのみにフォーカスした私のコメントを誤解している」と説明し、スーパースターが英語を話した方が野球の魅力が伝わりやすいと述べた。

フォーブスはESPNにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。ニューヨーク・ポスト紙によると、スミスの年俸は1200万ドル(約13億2400万円)で、彼はESPNで最も高給取りの社員とされている。

日本人である大谷選手は今シーズン、世界的なセンセーションを巻き起こしている。打者としても投手としても、並外れたパフォーマンスを示す彼の活躍ぶりは、人気が低迷中のメジャーリーグに大きな活力を与えている。

ESPNの人気番組「First Take」でのスミスの発言を受けて、SNS上では多くのジャーナリストらが、彼の見方に反論した。
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編集=上田裕資

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