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イスラエル保健省は先ごろ、米ファイザーとドイツのビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンが、多くの国で優勢になりつつある変異株の「デルタ株」に対し、その他の変異株に比べて感染と発症を予防する効果が「大幅に低下しているとみられる」との調査結果を発表した。

同省が公表したデータによると、ファイザー製ワクチンがデルタ株の感染と発症を防ぐ効果はこれまで約90%とされてきたが、新たな調査結果ではどちらも、64%に低下していたという。

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だが、こうした結果は、高い有効性を示しているその他の調査結果とは、相容れないものだ。このワクチンに関して英国やカナダで実施されたその他の複数の研究結果では、感染と発症を防ぐ効果はこれよりはるかに高い80~90%となっている。

このように異なる結果が示されるのは、なぜなのだろうか。ロンドン大学クイーンメアリー校のディープティ・グルダサニ博士(疫学)はフォーブスに対し、イスラエル保健省の調査結果についてはすべてのデータが公表されているわけではないため、完全に評価することは難しいと述べている。

ただ、英エクセター大学医学部の上級講師、デービッド・ストレイン博士は、イスラエルではワクチン接種を完了した人が多く、接種率がこれ以上は大きく上昇しない中で、デルタ株への置き換わりが進んだことによって、入手できるデータが限定的なものになっていることを指摘している。

つまり、ハーバード大学医学部のレベッカ・ワイントラウブ助教によれば、イスラエルで行われた調査の方法には、欠陥があったと考えることもできるという。ワクチンの有効性とは別の理由によって、「接種を完了した人に感染者が多い」との結果がもたらされた可能性があるということだ。

大半の人が接種を完了しているイスラエルでは、陽性者と接触した可能性があると思う人だけが検査を受けるようになり、そのため検査数における陽性率が高くなる可能があると考えることができる。だが、同国の保健省が先ごろ結果を公表した調査では、そうした可能性を排除するために必要な措置が講じられていなかったという。

編集=木内涼子

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