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東京オリンピック反対デモでプラカードを掲げる参加者(5月17日、東京)(Photo by Yuichi Yamazaki/Getty Images)

東京オリンピック・パラリンピックの開幕が、7月23日に迫っている。その開催について誰もが願っているのは、これが新型コロナウイルスの「スーパースプレッダー」イベントにならないことだ。当の新型コロナウイルスだけは、そうは思っていないかもしれないが──。

より感染力が高まったとされるこのウイルスの変異株、「デルタ株」の感染が拡大していると懸念される中、実際にはこのイベントは、世界中にデルタ株の感染を広げる「超スーパースプレッダー」になる危険性がある。

感染者が急増し、緊急事態宣言の真っただ中にある東京、そして日本に、世界200カ国以上から1万5000人以上が代表選手団として訪れ、およそ2週間にわたって滞在するのだ。

日本は昨年中、台湾や韓国などアジアのその他の国・地域ほど、効果的に感染拡大を抑制することができなかった。だが、それでも死者数でみれば、欧米の多くの国々よりはるかに良い状況にあった。

現在でも、感染者はおよそ82万8620人、死者は1万5000人と、米国に比べれば大幅に少ない数にとどまっている。米国は死者およそ60万8000人、感染者3395万人。人口の差(米国が約3億3140万人、日本が約1億2550万人)を考えても、相当に少ないといえる。

ただ、日本の新型コロナウイルス感染による死者はその約80%が、今年に入ってから亡くなった人たちだ。さらに、日本でワクチン接種を完了している人は現時点でも、人口の20%に満たない。つまり、日本にいる人の大半が、ウイルスに暴露する危険があるということだ。

トイレが詰まってボウルから水があふれそうなときに、そこにさらに水を注ぎ込む人がいないのと同じように、今は国内にさらならるウイルスを運び込むことになりうる行動を取るのに、最適のタイミングではない。

さらに、国際オリンピック委員会(IOC)は、ワクチン接種の完了を日本への入国と競技への参加の条件としていない。ワクチン接種を受けないまま、日本を訪れる選手や関係者も多いと考えられる。

編集=木内涼子

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