進化する「バーチャルショッピング」 電子商取引分野で導入進む

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電子商取引サイトを提供する企業オブセス(Obsess)は先日、シリーズAの資金調達ラウンドで約1000万ドル(約11億円)を確保したと発表した。

コーチやトミー・ヒルフィガー、シャーロット・ティルブリー、ダーマロジカ、メアリー・ケイなどファッション・美容ブランドと提携している同社の資金調達総額は、今回の資金調達により約1340万ドル(約15億円)になった。

オブセスの創業者で最高経営責任者(CEO)のネハ・シンは発表で、「没入型の買い物体験は電子商取引の標準となりつつあり、先見の明のあるブランドは当社の技術基盤を活用して買い物客に充実したインタラクティブ(双方向)な商品の買い方を提供している」と説明した。

「インタラクティブなビデオゲームをしたりeスポーツを観戦したりして育った若い買い物客は、ネットで買い物をする際にブランドとリアルタイムで交流できることを期待している。3Dの仮想買い物体験は間もなく、全ての小売りカテゴリーのブランドにとって最低限欠かせないものとなるだろう」(シン)

同社は今回の資金調達により、世界的な拡大と商品開発に注力できるようになる。さらに同社は、今後半年から1年で家庭用品や消費者向け包装商品、エンターテインメントなど他の事業領域にも拡大する予定だ。

また、第4四半期にはソーシャルショッピング機能も導入されることになっている。これが実現すれば、消費者はインターネットを介して友人と一緒に買い物し、インフルエンサーや店員、さらにはデザイナーとまで交流できるようになる。

シンは筆者の電話取材に対し「これは、バーチャル店舗での買い物体験に人間的な要素をもたらすもので、こうした体験をどのようにしてより人間味あるものにするかが重要だ」と語った。

企業はネット上でより多くのエンゲージメントを求めていて、バーチャルショッピングの世界に引き寄せられる小売り企業や会社の数が増え続けている。

仮想体験はビデオゲームと同様、非常に現実的な見た目だ。「ビデオゲームのように、求める環境は何でも作ることができる」とシン。「この技術を使えば物理的な不動産に制限されることなく、惑星や水中を舞台とするなど、ブランドは創造性を存分に発揮できる」
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翻訳・編集=出田静

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