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2021.07.07 11:30

株価急騰のクラウドフレアから2人目のビリオネアが誕生

クラウドフレア共同創業者のミッシェル・ザトリン(Photo by Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch)

コンテンツデリバリーネットワーク(​CDN)などのインフラやセキュリティサービスを提供する「クラウドフレア(Cloudflare)」の共同創業者のミッシェル・ザトリンの保有資産が7月6日、10億ドルを突破した。これはニューヨーク証券取引所に上場する同社の株価が、1年前の2倍以上に高騰し、史上最高値の108.93ドルを記録したためだ。

ザトリンは、サンフランシスコ本拠のクラウドフレアのプレジデントとCOOを務め、同社の株式の約5%を所有している。共同創業者でCEOのマシュー・プリンスは同社の13%の株式を保有し、昨年5月に保有資産が10億ドルを突破したが、ザトリンはプリンスに続く、クラウドフレアで2番目のビリオネアとなった。

クラウドフレアは、400万人以上の顧客のウェブサイトを、DDoS攻撃などのセキュリティ上の脅威から保護している。同社は、1日あたり700億件のサイバー攻撃を阻止していると述べている。

2019年9月の上場当時に18ドルだったクラウドフレアの株価は、パンデミックの追い風を受けてIPO価格から約500%の上昇となっている。2019年に2億8700万ドルだった同社の売上は、2020年に4億3100万ドルに増加した。しかし、純損失も前年の1億600万ドルから2020年には1億1900万ドルに増加していた。

クラウドフレアは、ハーバード・ビジネス・スクールで出会ったプリンスとザトリン、そしてリードエンジニアのリー・ホロウェイらによって2009年に設立された。ホロウェイは、2016年に難病の前頭側頭型認知症と診断され、同社を退社していた。

クラウドフレアの顧客には、極右系サイトのThe Daily Stormerや掲示板の8chanなどの物議を醸すサイトが含まれており、その件で批判を浴びていた。同社は、これらの顧客へのサービス提供を、言論の自由に基づくものと説明していたが、2019年8月にテキサス州エルパソで発生した銃乱射事件の犯人が8chanに犯行声明を投稿していたことを受けて、8chanへのサービス提供を終了していた。

クラウドフレアは昨年、選挙関連のサイトに無料サービスを提供したほか、ワクチン接種を支援するツールを無償提供した。同社はまた、中国のEコマース大手JD.comの子会社であるJD Cloud & AIと提携し、中国全土で150のデータセンターを運用・サポートすることを発表していた。

編集=上田裕資

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