──新型コロナウイルスの感染拡大もあり、世界的に混沌さが増している。バフェットはアメリカの経済や未来について言及したか
バフェットは、時価総額ランキングをとりあげ、トップにアメリカの企業が占めることに触れ、アメリカの資本主義がうまくいっていること、また、将来も発展し続けるとの強烈な自信を示した。その自信を、バフェットは「Never bet against America(アメリカが負けることには決して賭けるな)」という言葉で表す。
──8年連続で総会に参加している中で、気づいた変化は
売買の頻度。保有期間のインターバルが銘柄にもよるが早くなってきていること。これは、今年の質疑応答でも指摘され、「マンガーのいうことを聞いておけばよかった」と述べている。
また、コロナで株価が急落した時、エアライン株や金融株を売るという、これまでとは違う動きをした。これも変化ということかもしれないが、投資手法が大きく変節したということではない。
──コロナの投資への影響は、改めてどうだったのか
去年の株主総会で、コロナによって、ビジネスプラクティスが変わると言っていたバフェット。伝染病の恐ろしさを過大評価し、マーケットに関しても悲観的に見ていた。市場の先行きを読み間違え、もっと下がると思っていた株価がさがらず、安値で買うことができなかったようだ。
これについて、バフェットは「振り返れば、もっとうまくできた」と述べている。
──ところで、2年連続オンラインとなったが、リアルとの違いは
確かに毎年、はるばるオマハまで行くという時間的な拘束や、飛行機代・ホテル代を考えれば、カジュアルに参加できる。
ただ、バークシャーの総会は祭りである。朝7時から開場し、私は4時から並んでいた。催し物があったり、コーポレートビデオの上演があったり、展示会場があったりし、参加者が楽しめる作りになっている。ここで毎年、世界各国から投資家が集まり、総会の前後もパーティーがあったりと、街全体がフェスティバルのようだ。
──世界からというが、アメリカ以外からの参加者も多いのか
世界各国から集まっていて、たとえば、ドイツからも南アフリカからも南米からも沢山来ている。特に近年は、中国からの参加者が約4分の1位を占めていたように思う。観光気分も入ってバスツアーまで組んでいたようだ。
8歳の女の子が「お金を貯めるには?」
──総会の雰囲気はどんなものか
日本とは全く異質である。チアガールが突然入ってきて、パフォーマンスをしたり、赤ちゃんの泣き声がしたり。
一人の株主が3人まで同伴者を連れてこれることから、家族連れで参加している人も多い。質疑応答の際も、8歳くらいの女の子が「お金を貯めるにはどうしたらいいのか」という質問が出たりして、和気あいあいとしている。
(写真:尾藤氏提供)