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女子テニス界のスター、大坂なおみが、自身の心の健康などのために全仏オープン2回戦を棄権すると発表した。選手や著名人に続いて、世界のメンタルヘルス支援団体からも決断を擁護する声が上がっている。

大坂は1回戦後、記者会見を拒否し、大会主催者から罰金を科されたほか、4大大会の主催者からも会見を拒否を続ければ出場停止処分もありうると警告されていた。大坂は全仏の開幕前、ジャーナリストは「選手のメンタルヘルスへの配慮を欠いている」として、試合後の記者会見に応じない意向を示していた。

世界ランキング2位の大坂は5月31日、全仏オープンの棄権を表明するとともに、2018年から「長い間うつに悩まされてきた」と明かした。大坂が大会よりも自身の健康を優先したことには、同じ女子テニスのセリーナ・ウィリアムズや米プロバスケットボールNBAのステフェン・カリー、米映画監督のエヴァ・デュヴァネイら各界から支持する声が相次いだ。

若者のメンタルヘルス支援に取り組む英国の非営利団体(NPO)、ヤングマインズ(YoungMinds)も、「セルフケアを優先することで、メンタルヘルスの問題を抱えている若者たちに手本を見せてくれた」として、ツイッターで大坂に感謝の気持を伝えた。「自分を大事にすることで罰されてはならない」とも訴えた。

精神疾患を抱える患者や家族を支援する米国のNPO、ナショナル・アライアンス・オン・メンタル・イルネス(NAMI)も大坂の決断をたたえ、「あなたはひとりではありません#NotAlone」とツイッターに投稿した。

カナダの研究・教育病院組織、ユニバーシティー・ヘルス・ネットワーク(UHN)で公衆衛生・社会医療部門を率いるアンドルー・ブーザリーは、ツイッターで「全仏オープンは健康への対応で完全に遅れている」と厳しく批判。全仏の大坂への対応を、この1年、選手への新型コロナウイルスワクチン接種の義務化に繰り返し反対しながら、なんのペナルティーも科されていない男子テニスの世界ランキング1位、ノバク・ジョコビッチへの対応と対比させた。

競泳のオリンピック金メダリスト、マイケル・フェルプスやNBAのケビン・ラブをはじめ、プロ選手たちは近年、自分のメンタルヘルスについてオープンに語るようになってきている。米NPOアスリーツ・フォー・ホープによると、心の病を抱えているトップアスリートは全体の35%にのぼっている。

編集=江戸伸禎

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