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2021.06.04 07:00

米国で中古車が異例の値上がり、年初から25%上昇したクルマも

Photo by Justin Sullivan/Getty Images

限られた予算の中で、車の購入を検討中の消費者には厳しい状況だ。J.D. パワーによると5月の米国の新車の平均取引価格は過去最高の3万8255ドルになると予想されており、中古車の価格も過去最高となっている。

自動車のオンラインマーケットプレイスのCarvanaによると、中古車の卸売価格は年初来で15%から25%も上昇しているという。「歴史上、これほど早く車の価格が上昇した時期を私は知らない」と同社のCEOは話した。

J.D. パワーは、5月27日に発表したレポートで、世界的な半導体チップ不足による生産停止で新車の在庫が少なくなり、中古車や中古トラックの価格が急上昇していると指摘した。中古車の卸売価格は、直近の20週連続で急上昇した結果、前代未聞の37%増となっており、小売価格も2020年末の水準を15%上回っているという。

自動車オークションを運営するCox Automotiveによると、中古車の平均出品価格は4月に2万2568ドルと史上最高を記録し、初めて2万2000ドルを上回った。

中古車マーケットプレイスShift.comのCEOは、フォーブスの取材に、この市場では「奇妙な現象」が置きていると話した。その奇妙な現象とは、通常であれば値がつかないような車が、卸売オークションでプレミアム価格で売れるというものだ。

「フレームに損傷があったり、エンジンの修理が必要な車は、普通は売れないものだが、現状では利益を上げることができている。これは、新車の需要が急増し、部品の供給が不足しているためだ」と同社のCEOは話した。

コックスオートモーティブ社の担当も、「旺盛な需要に反して供給が不足していることは、選択肢と手頃な価格の両方を求める消費者をさらに苦しめていると」と指摘する。同社は5月20日に発表したレポートで、「中古車価格は、今後も上昇し続ける可能性が高い。ある時点で、価格が高くなりすぎて需要が後退する懸念があるが、まだそこには至っていない」と述べた。

一方で、現在乗っている車を下取りに出したいと考えている人にとっては、嬉しいニュースがある。ピックアップトラックやクロスオーバー、SUVなどの最も需要が高い車種は、これまでよりはるかに高い金額で、下取りが期待できる。Shift社によると通常、中古車の価値は1週間に1%のペースで下落するが、今年は自宅のガレージに置かれた車の価値が、年初から25〜30%も上昇している可能性があるという。

今のところ中古車販売はまだまだ好調で、Carvana社の第1四半期の販売台数は、2020年の最後の3カ月間に比べて28%の増加になっていた。

編集=上田裕資

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