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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

ユーリ・ミルナー(左)とマーク・ザッカーバーグ。ミルナーはフェイスブックの陰の支配者と呼ばれるほど影響力をもつ。

草創期のフェイスブックに目をつけ、2億ドルの巨額投資に踏み切ったユーリ・ミルナー。その後ツイッター、エアビーアンドビー、スポティファイ、中国のアリババやJD.comといったインターネット関連のスタートアップ企業に次々投資し、うち5社が時価総額1000億ドル企業に大バケした。

一方で、ノーベル賞の3倍の賞金を与える科学賞を設立し、宇宙人探しには1億ドルを出資するなど、科学界への貢献で存在感を示す。異端の投資家は、成功の先に何を見据えているのか。ロシア版フォーブスによる独占インタビューで明らかに。(ミルナーの数奇な半生についてはこちらに)


投資ファンドDSTの創業者で、総資産48億ドルのビリオネア。現在はシリコンバレーに大豪邸を構えるユーリ・ミルナーだが、インターネットという"金脈"を見つけたのは1999年のこと。当時のロシアでネットユーザーはごくわずかだったが、アマゾンやヤフー、イーベイの成功に触発されたミルナーは、ロシア最大のインターネット企業グループ設立を目指し、IT投資家としての第一歩を踏み出す。

──最初の元手は?


コツコツためた100万ドル。その頃は米国のビジネススクールを修了した人はロシアに数人しかおらず、ウォートン校で学んだ私は給料がよかったんです。そのうち75万ドルを、メイルルー(ロシアで電子メールサービスを展開するMail.ru社)に投資しました。

──なぜ電子メールサービスの企業に?

当初は国内トップのIT企業ヤンデックスを狙っていましたが、他社と競って負けてしまった。業界2位がメイルルーだったというわけです。

──2010年、メイルルーがIPOを果たし(ミルナーは1億ドルを手にしたとされる)、引退して悠々自適な生活を送ることもできたはず。なぜ新たに自身の会社「DSTグローバル」を設立したのか?

2000年代半ばごろからグローバルなビジネスを構築したいと考えていました。メイルルーは非ロシア語圏での展開には不向きだったので、投資ファンドDSTを設立しました。DSTでは、米国40%、中国40%、欧州とインドで20%といった具合に、投資先を地理的に分散させています。

──草創期のフェイスブックに2億ドルを投資したが、創業者マーク・ザッカーバーグとの出会いは?

ゴールドマン・サックスの行員につないでもらいました。フコンタクテ(ロシアの人気SNS)に投資した経験から、ソーシャルネットワークの内在価値は認識していましたから。マークには、ほかのベンチャーキャピタルではなく我々DSTから出資を受けるよう強く働きかけました。DSTは長年、世界中のソーシャルネットワークを研究していて、膨大な分析データをもっている、と。

──ザッカーバーグはどんな人物?

驚くほどのみ込みが早い。世界中いろいろな人に会いましたが、彼の学習速度は群を抜いています。また、私の人生においても重要な人物です。フェイスブックへの投資から数年後には、私の慈善事業のパートナーとなってくれましたからね。

──自慢の投資先は?

それは皆さんが判断を。設立から約10年、DSTは未上場のインターネット企業への投資に専念してきました。この間に、時価総額が1000億ドルを超える企業が8社誕生しましたが、DSTはこのうち5社に投資しています。100億ドル以上の企業では約半数。その多くが上場を果たしました。

文=ニコライ・ウスコフ 翻訳=石橋むつみ

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