代表例が、2020年に日本にも導入されたアウディのピュアEV「e-tron(イートロン)スポーツバック」だ。その特徴は、ガソリンやディーゼルといった化石燃料で走るICE(内燃機関をもった自動車)と違う速度感覚が楽しめるところだ。
全長4.9メートル、全高1.6メートル超の余裕あるサイズのボディは、プロポーションとしてはSUV的であるものの、キャビンを小さく見せるデザインによりクーペ的 なパーソナル感を打ち出している。
アウディでは18年にSUVタイプの「e-tronSUV」を、次に「e-tronスポーツバック」を、21年2月には、4ドアのEVスポーツカーを謳う「e-tronGT」を発表。新しい時代におけるファントゥドライブ(運転の楽しさ)を目指している。
いっぽうアウディでは20年11月に、環境への取り組みをオンラインで披露した。
「アウディは自動車生産に注力してきましたが、これからはもっと大きな視野に立って行動する企業になります」と、登場した重
役たちが語ったのが印象的だ。
欧州のアウディ工場では、太陽光や地熱など自然由来のエネルギーを大々的に採り入れているし、完成車の陸送も、ドイツでは温室効果ガスの排出量を抑えた
「DBエコプラス」列車を使う。
いま、アウディAGの幹部がことあるごとに口にするのは「Future is electric」という言葉である。面白いのは、「未来は電気(自動車にある)」と、「未来は刺激的」
とのダブルミーニングである点だ。
e-tronスポーツバックの、驚くほど力強い加速性と、小さなカーブでも気持ちよ
くこなすハンドリングを体験すれば、EVの刺激性がわかるだろう。環境的でも楽しさを諦めない。ここがアウディの魅力だ。
Audi e-tron Sportback 50 quattro S line
駆動形式|4輪駆動
全長|4900mm
全幅|1935mm
全高|1615mm
最高出力|230kW
価格|¥11430000(消費税込み)
問い合わせ|アウディ コミュニケーションセンター 0120-598-106
COLUMN 新しいコンセプトを示すショールームが2月オープン
デジタル技術は、クルマのショールームも変えている。2020年2月に開業した東京・千代田区の「Audi City紀尾井町」はその先駆けだ。
「Audi City」とはアウディが世界展開を始めたショールームの新しいコンセプト。「従来のロードサイド店舗とは一線を画す、これからのプレミアムカー販売の在り方を提示する都市型ショールーム」(アウディジャパン)と説明される。店舗面積はコンパクトであるかわりに、VRの積極利用が注目点だ。
VRゴーグルで、実車がなくても、車体色、ホイール、シートやダッシュボードと興味をもった仕様を3Dで体験できる。カブリオレモデルはほろの作動もバーチャルで見られる。「周囲景色 の車体への映り込み表現をはじめ、精細度の高さ、想像を超えるその品質(リアル感、色表現、反応速度の速さ等)にお客さまは驚かれている」と、好評を博している。
【連載】クルマの名鑑
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