一方、新型コロナウイルスが感染者にどのような長期的な影響を及ぼすかについて、明確になり始めたのは比較的最近のことだ。新たに発表された研究結果によると、女性の方が長期にわたって「後遺症」に苦しむ可能性が高いという。
新型コロナウイルスの後遺症は、感染による症状が出始めて以降「数週間から数カ月がたっても、それらが回復しないこと」と定義されている。そして、これまでの研究で指摘されているのは、「後遺症は体がどのようにウイルスと戦ったか」に関連しているとみられることだ。
感染者に関する初期の研究では、症状が1カ月間続いた人は10~20%だった。だが、昨年中に感染した人の中には、現在になってもなお、症状が続いている人たちがいる。
長期にわたって続く症状としては、55種類が特定されており、そのうち最も一般的とされているのは、息切れ、頭痛、咳、倦怠感、認知機能障害、「ブレインフォグ(頭にもやがかかったような状態)」、筋肉痛、不安神経症だ。検査で陽性が確認されてから数カ月後の時点でも、ダメージを受けた臓器が回復しない人もいるという。
また、感染後に入院が必要になった人たちが身体、認知機能、精神面に受けた影響について英レスター大学の研究チームが行った調査では、後遺症を経験している人は7割にのぼった。
そのうち最も大きな影響を受けていたのは、40〜60歳の女性だったという。入院後、調査対象者の25%以上が不安障害とうつ病、12%が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症していた。
女性の方がより深刻な影響を受けていることを示す調査結果は、他にもある。