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I write about how retailers can determine what customers really want.

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実店舗は消滅に向けた負のスパイラルに陥っているとする報道が続くなかでも、米アマゾンは実店舗の展開を強化していたようである。これについてはテストマーケティング、つまり試験的な取り組みだととらえる人が多かった。だが、国際ショッピングセンター協会(ICSC)の理事、アダム・イフシンの見方は異なる。

イフシンによれば、ICSCの調査研究に基づくとアマゾンは将来的に実店舗を最大で3600店舗構え、実店舗でも巨人になる見通しだという。

「eコマースで重要な企業は1社しかなく、それはアマゾンです。で、彼らは何をやっているか。彼らはウォルマートになろうとしているのです」(イフシン)

新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が発生して以来、オンラインショッピングの拡大がさかんに報じられてきたが、その陰でアマゾンは複数の小売りカテゴリで実店舗の構築を着々と進めてきた。

同社のウェブサイトによると、アマゾンが運営する実店舗は、ネット通販で高評価の商品を扱う「アマゾン・4スター」(31店舗)やレジなし店舗「アマゾン・ゴー」(28店舗)など、米国内を中心に合計で100店舗近くにのぼる。これ以外に傘下の高級スーパー「ホールフーズ」も500店舗ほどある。

なぜアマゾンはここへきて実店舗の出店を加速しているのか。イフシンはこう説明する。「誰も予想していなかった一連のコストによって、実店舗をもたないことのメリットは薄れました。逆に、小売業で最も重要な、顧客の獲得と顧客への商品提供のためには、実店舗をもつことこそ最もコスト効率のよい方法だとわかったのです」

一連のコストというのは、たとえば返品に要するコストだ。また顧客の獲得にも多大なコストがかかり、イフシンによると家庭用品通販サイトのウェイフェアなどは売上高の15%以上を投じているという。

アマゾンの消費者や商品の研究能力はますます高度化してきており、顧客獲得のために投資しない伝統的な小売企業はどんどん取り残されている。各社はいまこそ目を覚まし、行動を起こすべきだ。

編集=江戸伸禎

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