イーロン・マスク、2030年までに「火星に基地開設」を言明

テスラCEOのイーロン・マスク(Photo by Maja Hitij/Getty Images)

スペースXのCEOのイーロン・マスクは3月23日のツイートで、同社が宇宙開発分野で欧州企業を凌駕し続けており、欧州勢はロケット技術でもっと高い目標を掲げなければ、時代遅れになるリスクを抱えていると述べた。

マスクは、欧州が競争力のあるロケットの検討を開始する「ずっと前」に、スペースXがロケットを火星に着陸させ、基地を開設する述べている。

テスラのCEOでもあるマスクは、欧州企業が同社の競合となるテクノロジーの研究を始めるのは2030年からだというArs Technicaの報道を受けて、「スペースXは、2030年よりもずっと前にスターシップ(同社のロケット)を火星に着陸させるだろう」と述べた。

マスクによると、スペースXは2030年頃には、火星の基地に自立したエコシステムを築くという、より困難な課題に挑んでいるはずだという。彼は一連のツイートで、欧州のロケット開発は「低すぎる目標を掲げている」と述べ、この分野では「完全かつ迅速に再利用が可能なロケット」のみが競争力を持つことになると述べた。

「他のすべてのものは、布製の翼を持つプロペラ式の複葉機のような古びたものになるだろう」とマスクは述べた。

スペースXの再利用可能なスターシップの最新のプロトタイプ3機は、テストランを炎上させて終了し、最新の機体はチームがミッションの成功を宣言した数分後に爆発した。

EUやその加盟国の宇宙開発は多くの場合、国の資金援助を受けているが、運用開始後は商業的な顧客を獲得することが期待されている。スペースXは、再利用可能なロケットでコストを削減し、数年のうちに欧州のロケット打ち上げ市場のシェアを奪った。欧州勢は遅れを取り戻そうと努力しているが、まだ成果をあげられずにいる。

マスクは、人類を惑星に送り出すことを盛んに提唱し、2016年には「我々が生きている間に」火星に都市を建設するという計画を発表したが、初期の入植者は「死ぬ覚悟」が必要だと述べていた。

しかし、マスクのビジョンに対しては批判もある。英国の天文学者であるマーティン・リース卿は先日、マスクの計画を「危険な妄想」と表現し、バーニー・サンダース上院議員も、マスクが地球での問題から逃げるために他の惑星への移住を目指していると述べ、「火星に目を向ける前に、地球に目を向けるべきだ」と彼を批判した。

編集=上田裕資

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