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Photo by Austin Distel on Unsplash

米国のエジソンリサーチとトリトンデジタルが毎年、共同で実施する米国のメディア消費動向調査「The Infinite Dial」の結果が公開された。今年の調査結果は、パンデミックがデジタルオーディオの消費に及ぼした影響や、音楽ストリーミング市場の驚くべき現実を示している。

12歳以上の米国民を対象とするこの調査で、デジタルラジオやAM/FMのストリーミング、ポッドキャスト、音楽サービスなどのオンラインオーディオを利用する人の割合は、68%で頭打ちとなったことが示された。しかし、その中で大きな勝者の一つと言えるのが、ポッドキャストだ。

ポッドキャストの月間リスナー数は右肩上がりに上昇し、利用者の割合は、2020年の37%から41%に増えた。年代別では、12〜34歳の増加が最も大きく、この年齢層の半数以上がポッドキャストを定期的に聴取している(35〜54歳は約40%で、横ばいが続いている)。

また、利用者が1週間に聴取するエピソード数は平均8つで、昨年の6から増加した。昨年は、パンデミックの影響で車に乗る人の数が数%減少したものの、運転中にポッドキャストを聴く人が増加した。背景には、スマートフォンを介してデジタルオーディオを利用する人が増えていることがあり、回答者のうち、スマホを使ってインターネットラジオを聴取する人の割合は昨年の45%から50%に増加した。反対に、AM/FMラジオの利用者は激減した。

一方で、最大の敗者はラジオだ。ラジオにとって最後の砦は車での利用だ。AM/FMラジオを利用する人の割合は、ここ数年80%台を維持してきたが、車内でもネット接続ができるようになったり、音声応答技術が進化したことにより75%に低下した。

もう1つの大きな敗者はCDだ。車内でCDプレーヤーを利用する人の割合は、2015年の55%から35%に大きく減少した。ポッドキャストについては、回答者の30%が車内で聴いていた。

今年のInfinite Dialでは、数年前からポッドキャストを強化してきたスポティファイに大きな追い風が吹いていることも示された。ポッドキャストを聴く上で、スポティファイのアプリが、アップルのポッドキャストアプリ「Podcasts」に迫る勢いで人気が高まっているのだ。

一方、アップルとグーグルは、ポッドキャストのシェア拡大にあまり力を入れていない。アマゾンも、最近になってスポティファイを追随する戦略を取り始めているが、スポティファイがオンライン・オーディオサービス業界のリーダーであることは疑いようがない。

編集=上田裕資

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