4回目を迎えた今年のテーマは「Singularity of Art(シンギュラリティ オブ アート)」。ペインティングからテクノロジーを駆使したインスタレーションまで、多種多様な方法で表現された作品が集結した。
同フェアの最大の特徴は、来場者とアーティストが直接コミュニケーションを取りながら作品の展示や販売ができること。アーティストは作品の価格を自分で決め、その場で自らプレゼンし、来場者は気に入った作品があればその場で購入できる。
メイン会場の1つである京都新聞ビルの地下空間(撮影:高橋保世)
ギャラリーやキュレーターを介さずに、制作から販売までをアーティストが自ら行うフェアのかたちは、世界でも珍しい試み。そのユニークさが注目を集めている。
ディレクターには現代美術家の椿昇、若手アーティストを推薦するアドバイザリーボードには、彫刻家の名和晃平をはじめ塩田千春、加藤泉などの第一線で活躍するアーティスト陣17名が参加。アドバイザリーボードの推薦と公募により選ばれた若手アーティスト43組の作品が展示されている。
高瀬栞菜の作品は、動物をモチーフにした人間の持つ矛盾をユーモラスに描き出す(撮影:前端紗季)
自身も使用する車椅子や身体性をテーマとした檜皮一彦のインスタレーション(撮影:高橋保世)
ディレクターである椿昇の作品。若手に混じって、アドバイザリーボードをつとめるアーティストの作品も並ぶ(撮影:松崎)
たかくらかずき「アプデ輪廻 ver1.0」は優秀賞。「データの墓」という発想が面白い
歴史的建造物×現代アートの展示空間
歴史ある京都の建造物と現代アートが融合した、エキセントリックな展示空間そのものも見どころのひとつだ。
メイン会場は、京都文化博物館(文博)の別館と、京都新聞ビル地下1階の2カ所。文博の重要文化財にも指定されている歴史ある木造の建物には、ドットアーキテクツによる無機質な単管パイプが張り巡らされ、そこに若いアーティストの作品が大胆に並ぶエネルギッシュな空間だ。
木造の建物とパイプのコントラストが不思議な空間を生み出している(撮影:前端紗季)
また京都新聞ビル地下の会場は、元々新聞を印刷する輪転機が置かれていた場所。工場のような無骨な雰囲気と、かすかなインクの匂いが、作品たちのよい背景となっている。
新聞を印刷する輪転機があった地下空間。独特の雰囲気を味わうだけでも楽しい(撮影:高橋保世)
また、同フェアの開催に先駆け、京都の街中8カ所ではサテライトイベントも開催中。過去の「ARTISTS’ FAIR KYOTO」に出品したアーティストによる作品の展示をデパートや宿泊施設、飲食店などで3月上旬まで楽しめる。