スポーツでも、芸能や芸術でも、世界一になる人というのは、一般的には不利と言われることを覆しています。最初から理想的な条件に恵まれた人は滅多にいません。つまり、不利に思えることでも持ち味を活かしたほうがいいということです。
小熊さん自身、帰国子女でもないし、留学経験もなく、20歳のときのTOEICスコア280点という、「不利」だらけの状態からスタート。通訳になってからも、一生懸命やればやったで「目立ちすぎ」と批判されながら、諦めずにスキルを磨いてきました。
苦労と創意工夫を続けてきた経験から、人に教えるための引出しは誰にも負けないほどたくさんある。だから、英語を教えることで世界一を目指せると、小熊さんは気づいたと言います。
(写真提供:著者)
世界一への道は自分の内側を見つめることから始まる
世界一というのは他者からの評価ではなく、自分の内側を見つめることから始まる。孫子の兵法「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」のように、どんな人でも持ち味を活かした世界一は必ずあると、小熊さんは言います。
あなただけの世界一を見つけたら、あとは行動あるのみ。ターゲットを決めて戦略的に確実に最短で目標を達成する「ASAP勉強法」、成功者に学ぶ「モデリング」、モティベーションを維持するマインドの作り方、自信を持つ方法など、スピーディに効率よく実行する方法を本書で紹介しています。
世界一の交渉力のもとにあるのは使命感
小熊さんはアンソニー・ロビンズの世界一のポイントとして「ミッションを完遂するために1ミリも妥協しない交渉力」をあげています。
世界一の交渉の真髄は、「自分の基準に相手を合わさせ、最良の環境で最良の結果を出す」。
一方、凡人は「相手の基準に合わせて、妥協した環境で妥協した結果しか出せない」。
実際、アンソニー・ロビンズが日本で初めてセミナーを開催するときにこだわったのが、空調だったそうです。彼は、セミナーで最高の結果を出すために、自分自身のパフォーマンスはもちろん、空調、照明、音響といった環境にもこだわります。
アンソニーの辞書に「妥協」という言葉はないのです。
それは、自分のためではなく、参加者のためを思うから。自分のセミナーに参加したすべての人を絶対に成長させると、自分自身に誓っているからなのです。その目的達成のために、一切の妥協はしない。彼の交渉力はそういう信念の上に築かれているのです。