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ビジネス

2021.02.24 07:00

運送だけじゃない、「加工」もだ。物流業界発『ソノリク農作物劇場』のシナリオと勝機


物流企業として「商品開発」という新しい領域に挑んだ同プロジェクトのリーダーである園田裕輔氏に、プロジェクトに対する想いや、これまでの経緯を聞いた。

「これまで、『収入が安定しない』という農家さんの課題を緩和すべく、農作物をより長い期間良い状態で保管し、少しでも無駄なく安定した価格で売れるようにと『保管』に力を入れてきました。ですが次第に、保管だけでは限界を感じるようになりました。

何か他にできる事はないかと思ったときに、『商品開発』に挑戦しようと考えました。まったく未知の領域だったので、われわれだけでやろうとは最初から思わず、弊社の思いに賛同してくれる人々を巻き込みながら、周囲と一緒になってひとつのプロジェクトに取り組もうと考えたのです」(園田氏)

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「ソノリク農作物劇場」プロジェクトリーダー・園田裕輔氏

「オクラをパウダー状にする」?


その取り組みの第一弾として、「オクラをパウダー状にする」という発想に至ったのは、なぜなのか。

上に述べたように、コロナ禍の影響で、タイの契約農家のオクラが出荷困難となっていたことがひとつの理由だ。また、生鮮の状態を維持できる期間が非常に短い野菜であることも、オクラを選んだ理由だという。

その上で、オクラは非常に栄養価が高く、腸内環境を整えたり、コレステロールを排出したりと、効能的には非常に魅力のある野菜だ。そのため、オクラの成分を消費者がもっと「楽」に取れるようにと、どんな料理にも手軽に使えるパウダー状の商品を開発するに至ったのだ。商品名の「御来楽」も、この思いに由来する。

パートナー企業とは「人づて」で繋がった


同商品の開発には、同社だけでなくさまざまな企業がそれぞれの分野で携わっている。

「食品加工は弊社にとって未知の領域でしたので、まずはフードコンサルタントの方に相談し進めていきました。消費者の方々に手に取ってもらいやすくするために、コンサルタントの方が紹介してくださったデザイナーさんにパッケージのデザインを依頼しました。

また、食品加工できる工場がなかったので、製造できる企業さんを探し依頼しました。その企業さんには、オクラ以外にもさまざまな試作品をつくってもらいました。もちろんすべてが商品化に行き着くわけでなく、ボツ企画もあるのですが。

このようなかたちで、多くの方に多方面で協力してもらい、また人から人へとご紹介いただき、だんだんとプロジェクトのかたちが出来てきたんです。前向きかつお互いにwin-winな取り組みであれば、賛同し、協力してもらえるんだと実感しました。農作物劇場で、パートナーの方々とともに農作物との新しい出会いを作っていきたいです」(園田氏)

同プロジェクトは、第一弾に続き、今後も新たな商品を開発・販売する予定だ。第二弾では、春頃にアスパラガスを加工した商品、第三弾では、夏頃に安納芋を加工した商品の販売を予定している。

新たな商品では、加工方法や販売方法なども変えていく予定で、最終的には十数社と連携を組んで進めていく方針だ。
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取材・文=長谷川寧々 編集=石井節子 写真提供=福岡ソノリク

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