ビジネス

2021.02.11 06:00

ドイツ銀行らが33億円出資のブロックチェーン企業Axoniの実力


金融市場の分散台帳技術を支援


Axoniは2013年に設立され、世界の金融市場向けに、ビットコイン向けのものと類似した分散台帳技術の構築と導入を行っている。同社は、2017年1月にDTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)と提携した。その内容は、11兆ドルのクレジットデリバティブ取引の処理を行っているトレード・インフォメーション・ウェアハウス(Trade Information Warehouse)を、Axoniが開発したブロックチェーン「Axcore」に移管するというものだ。

複雑で莫大な量の取引記録を1つの共有台帳に移管することは極めて困難なため、この作業はこれまで何度も延期されてきた。2020年2月には、シティグループとゴールドマン・サックスが、Axcoreを使ってブロックチェーンを用いた初のエクイティスワップ取引を実施したと発表した。

その3ヶ月後、Options Clearing Corporationが720億ドル相当のエクイティをAxcoreプラットフォームに移管すると発表した。Options Clearing Corporationは、BATSやCboe、 ナスダック、ニューヨーク証券取引所に対してエクイティデリバティブの清算を支援している。

それ以降、Axoniは支援対象に4つのアセットクラスを追加した。1つはDirectBooksと組んだ社債発行支援だが、他の3つのネットワークは公表されていない。Schveyによると、Axoniの顧客は現在約20社で、その中には米国と欧州、アジアのバイサイドとセルサイドの企業、インフラ提供企業、テクノロジー企業が含まれるという。

Schveyは収益を明らかにしなかったが、この2年間は、前年比で倍増を達成しているという。「我々は、プラットフォームを稼働させるために多額の投資をしていく。特に、支払いを受ける前に構築しなければならないものに重点的に投資していく」とSchveyは話す。

エンタープライズ向けブロックチェーンプロジェクトの92%が失敗に終わると言われているが、調査会社フォレスターは、生き残った案件の30%が年内に開発を開始すると予測する。例えば、R3の「コルダ(Corda)」は先週、不動産データ企業「StreetWire」に採用されて物件データをトラッキングする。

ConsenSysの「Quorum」は中国政府と提携し、「Hyperledger Fabric」はロシアのSberbankに採用され、ルーブルに連動するブロックチェーンベースの通貨を発行する予定だ。

Axoniの社員数は70名だが、今回調達した資金を使ってインフラアプリケーション開発とユーザーエクスペリエンスを専門とするプログラマーを採用する予定だ。その目的は、技術力の向上に加え、新しいワークフローを既存のシステムとプロセスに統合させる方法を理解するためだという。

また、アセットをトラッキングするため、国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)のコモン・ドメイン・モデル開発に引き続き投資する予定だという。

「コモン・ドメイン・モデルの開発には、これまで多額の資金を投じてきた。これは、異なるアセットクラスを横断してデータとイベントのモデリングを行う標準的な方法だ。これにより、社内の生産性を標準化するだけでなく、顧客が異なるアセットクラスで起きていることを把握することに役立つ」とSchveyは述べた。

編集=上田裕資

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