今回の調達は2018年8月に公表したシリーズBの追加ラウンドとして実施され、Axoniの累計調達額は9000万ドルに達した。
新たな取締役は選任されないが、インテルキャピタルの投資マネジャーであるDavid Muellerがボードオブザーバーに就任する。Axoniの共同創業者兼CEOのGreg Schveyは、同社の評価額について「ユニコーン企業には達していないが、大幅に増えた」と述べた。
今回のラウンドに先立ち、ニューヨーク本拠のAxoniは、「DirectBooks」とパートナーシップを締結した。DirectBooksは、ドイツ銀行やバンク・オブ・アメリカ、バークレイズ、BNPパリバ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴが立ち上げた、社債に関する情報を交換する共用インフラストラクチャーだ。
DirectBooksは、「メールやチャット、電話会議のメモなど、異なるプラットフォームに埋もれたデータやドキュメントを探す必要をなくすために中央集権化されたコミュニケーションソース」として、2020年11月に静かに始動した。
ドイツ銀行でグローバル・キャピタルマーケッツの共同責任者を務めるHenrik Johnssonによると、DirectBooksに参加する大手金融機関は、Axoniを有望な投資対象と考え、出資をしたという。
Axoniは、分散型台帳プラットフォームも提供しているが、全ての顧客がそれを利用しているわけではない。一方で、DirectBooksのプラットフォームは、ブロックチェーンをはじめとする分散型台帳技術を使用していない。DirectBooksのローンチは、ブロックチェーンに脅かされると思われていた既存の金融機関が、中央集権化されたソリューションでブロックチェーンと同じタスクを実行しようとしていることを示している。
「運営リスクの削減効果は、数十億ドルには達しないかもしれないが、数億ドル規模であることは確実だ」とJohnssonは話す。