平林:いろんな自治体とお仕事をする機会ありますが、現場の悩み事を聞いた時に僕らがメディアの立場でできることは少ない。だけど、それぞれのリソースを持つ人たちがつながることで解決できる問題もたくさんあります。行政だけ、民間だけで担えることの境界線がどんどん曖昧になるなかで、どれだけつながりを持てるかが生存戦略になると思っています。
──コロナ禍で観光や地場産業で各地で影響を受けているなかで、いま地域経済に必要だと考えることは?
米田:コロナ以前から本質は同じで、「田舎に来ても何もやれんよ」と地域の人に言われても、信じてやり続けることで地域のマインドが変わった事例をたくさん見てきました。復興の現場や今治FCなどもそう。このような逆境の時にこそ、人々の心の中に信じられる気持ちがあるかどうか。希望の光を灯せるか、そして、その光の元に生まれる「共感資本」がすごく大事だと思います。
東:経済を「助ける」という言葉自体が、行政に助けてもらわないとだめだという構図をつくり出してしまい、地域経済にとっては致命的によくありません。行政と地域の人は同じ市の仲間で、協働していく発想が大切。なんでも補助金や給付金など一方通行の施策で解決しようとせず、地域の方々の声に耳を傾け、本質的なニーズをきちんと把握し、行政にしかできない具体的な施策を実行すべきだと思います。
平林:僕は、共助が大事だと思います。コロナ禍では自助ではどうしようもなく、公助ありきで期待しすぎるのも分が悪い。お互い助け合うことをどれだけ推進できるか。米田さんの「共感資本」の発想に通じることだと思います。
オンラインでも「熱」は伝播し、つながりを生み出す
WHERE代表 平林和樹
──またコロナ禍になかなか現地に行きづらい状況の中、オンラインのもつ繋がりや結束力というのもあるのでしょうか。
平林:オンラインじゃなければ、ここまで多様な人たちに日本全国から登壇して頂けないと思います。地域での情報格差がまだあるなかで、オンラインだから参加できたという方もめちゃくちゃいて。あとはリアルで会ったときの感動がすごいです(笑)。
リアルの代替としてのオンラインではなく、オンラインだからこその価値がある。そこを追求することが地域や社会にとっても良いことだと思います。
──最後に「SHARE by WHERE」開催に向けて、意気込みを聞かせてください。
東:オンラインでも「熱」を伝播させることはできる。主催者の方がこれだけ熱を入れているので、もし参加者に熱が伝わらなかったら、登壇者の責任だと思います(笑)。今すぐ動き出したいと感じ、実際に動き始める方が一人でも多くなるようなセッションにしたい。
米田:希望の光をみんなが見出せたらいいな。今年はそれに尽きるかな、と。困難な環境下でも明日からまた頑張ろうと、手がかりが見つかるような場。登壇者も苦労してると思うので、それを聞いて勇気のおすそ分けがされるようなイベントになったら嬉しい。
平林:コロナ禍でさまざまな希望が失われてるなかで、例えば農業で困ってる人が参加することで、やっぱり農業最高!と思ってもらえるように、ちゃんとまたそれぞれの立場で取り組めるような場になれたらと思っています。
一方、自分ができることを模索してる方、力を持て余してる方もたくさんいると思う。自分の力の使い所で困ってる人も、人手が足りない人もいると思うので、うまくマッチングできれば。産学官全ての業界でタッグを組んで、お互い助け合えるようにできたらと思います。
◾️「SHARE by WHERE」開催概要
・日時:2021年2月27日、28日両日14時~21時(オンライン交流会含む)
※途中参加・退出は可能
・応募期間:2月27日 11:00まで
・参加方法:こちらから要申し込み