企画のアドバイザーを務める公認会計士の米田恵美
米田(続き):そのような話をしていたら、平林さんから、「関係している全員にヒアリングしよう!」と号令がかかりました。私は翌日から、イベントのことを何も言わずに友人たちに「いま悩んでるお題を教えてください」「まだ解けていない問題をください」と聞きまくる人になりました(笑)。
ただ、それによって現場の最前線のお題が洗い出されました。みなさん試行錯誤しながら、奮闘している。セッションを通じて最前線に立ってる人も悩んでいて、まだ仮説なんだ、と思えると見てる人も元気になるだろうと思いました。
東:本当に突然、米田さんからお題を聞かれてびっくりしましたけど、いい機会でした。
強烈な「個性」を掛け合わせ、地域経済が動く
──今回のセッションのテーマは、地域マーケティングや観光問題、行政の外部人材の登用など実用的なものから、ライフスタイルや幸福論など哲学的なものまで多岐に渡ります。この点、意識したところは? また、東市長が登壇予定のセッションはどうなりそうですか。
平林:まず、テーマがちゃんとイシューに基づいてること。そして地域の面白いところは、誰もが関わることができる切り口があること。だから参加者を狭めてしまうことはしたくないんです。テーマが多様だと、登壇者も多様になります。そしたら、例えば東さんを切り口に四條畷市のファンになって、参加者も接点を持ち始めたりする。ライブの前座で、知らないバンドの演奏を聴いてファンになるイメージで、関係性がどんどん広がって行けばいいなと思います。
登壇者はそれぞれ強烈な個性を持っています。これからの時代はそんな人たちの個性を掛け合わせることで熱量が生まれ、経済が動いていくと思うので、日本中で横つなぎにする場が成り立つのか、チャレンジしていきたいです。
東:私は2つのセッションに登壇します。つくば市の毛塚幹人副市長とのセッションは「地域を変えるCOO」の役割がテーマの一つで、そこに興味あるのってCEOかCOOくらいじゃないですか。一方、石山アンジュさん(社会活動家)やユニリーバ・ジャパン・ホールディングス(取締役人事総務本部長)の島田由香さんたちとの「人口減少時代の幸福論」は誰もが興味ある内容。両極端のテーマで、運営側は攻めてきたなー、と(笑)。
毛塚さんの方は、当事者として聞いていただけるように、抽象論ではなく具体論を意識したい。今そのポジションにいる人、それを目指す人だけでなく、市役所や民間企業で働いてる人たちに向けて、市役所経営者が普段どんなことを考えて仕事してるのかを知ってもらえたら。そういう人たちがもっとも多いので、とにかく現場感のある話を心がけます。
もう一方の幸福論はぼんやりしてるので、何を焦点にするのか。ただ、登壇者は話し上手の人たちなので、そのモヤモヤさえも参加者の皆さんと楽しめたらと思っています。
大阪府四條畷市長の東修平
──官民の連携や地域を超えたつながりの必要性をどう考えていますか。
東:市長のイベント登壇というのは、市民にとって、直接的な利益を感じづらいものです。一方で、人と人とのつながりを大切に行動していると、思いがけない素敵な出会いが生まれます。それが、市民の幸福につながるかもしれない。
四條畷市の場合は、すでに官民連携の手法を確立しており、市長が首を突っ込むことなく、職員自らが考え動くステージに入っています。なので、僕の場合は、信頼している人が平林さんのことを信頼しているから登壇しています。ふんわりとした横のつながりをつくっておくことで、職員が仕事をしやすくなるかもしれません。