なぜ、いま地域経済の活性化を呼びかけるのか。またこのイベントの正体とは──。
WHERE代表 平林和樹、企画のアドバイザーを務める元Jリーグ理事で公認会計士の米田恵美、セッションに登壇する大阪府四條畷市長の東修平に話を聞いた。
台本なし、熱量を生み出す工夫は?
──第1回は「SUMMIT by WHERE」として昨年開かれ、民間からは社長を含む取締役以上が30%ともっとも多く、行政職の方も幅広く参加されたと聞きました。どんなイベントだったか教えてください。
平林:率直に感じたのは、これだけ地域で本気で何かをやりたいという方がいるんだということ。このサミットから、登壇者と参加者、登壇者同士のコラボが10組くらい生まれたと聞いています。もともとイベントだけで終わらせずに、一歩踏み出せるようなきっかけになれたらと思っていたので、実際のつながりが生まれてうれしいですね。
例えば「地域ビジネス」についてのセッションに登壇した、山形県の庄内にあるスイデンテラスの山中大介さんと、モデレーターのNEWPEACEの高木新平さんが意気投合して、社員研修をスイデンテラスでおこなったそうです。ほかにも、参加者で官民連携研究所をやられてる方がいて、登壇していた上村一郎市長の話を聞いて市との連携を進めています。
また、登壇者から「サミットのようにてっぺんがある場ではなく、シェアする場だよね」というお話を受けて、今回はイベント名を「SHARE by WHERE」に変更しました。コロナ禍の予測不能の事態では、シェアの概念が大事だと思い、そういった場により近づけていくために願いも込めています。
東:私は前回も登壇しました。オンライン上ではありますが、参加者の皆さんとの空気づくりを大事にしていて、台本はありません。うちのグループはもともと接点のある者同士で、事前の顔合わせすらしませんでした(笑)互いに信頼感があるため、すぐさま核心となる議論ができ、参加者との熱い質疑応答も交わせました。
米田:運営側の熱量もとても高く、その空気感が登壇者や参加者の皆さんにも伝わるんでしょうね。あったかい雰囲気で、熱いトークが展開されています。
──アドバイザーの米田さんは「SHARE by WHERE」を企画する上でどんなアドバイスをしましたか? また参加者の熱量を生み出す工夫について教えてください。
米田:地方創生系のイベントが増えてきて、語る人も増え、顔ぶれも似てきて、若干飽きてしまっている人もいますよね。私たちがやりたいのは「いい話を聞いた」のではなくて、そこからちゃんと動いてくれる人を増やしたいね、ということ。
だからこそ、実際のイシューを扱った方がいい。再現性のある答えや事例を紹介するだけではなく、第一線にいる人が苦労してることや、解き切ってないアジェンダをシェアすることで、より多くの人が関われる余地になる。自分の力を使って、一緒に課題を解きたいと思えるような人が増える方がいいと思います。