カイザー・ファミリー財団がバイデン米大統領の就任直前に行ったこの調査によると、米国では市民の47%が早急にワクチンの接種を望んでいるか既に接種を受けており、ワクチンに消極的な態度がはるかに弱まったことが示された。
米規制当局がワクチン使用を承認する前の12月に同財団が行った調査では、できるだけ早くワクチンを接種したいと考えていた米市民は3分の1ほどに当たる34%だった。それと比べると、今回の調査結果は大きく向上している。
ファイザーとモデルナの新型コロナウイルスワクチンには先月、それぞれ緊急使用許可が下りた。その後、必要とされる2回の予防接種のうち少なくとも1回を済ませた米国人はこれまで数百万人に上る。
それと同時に、ワクチンを接種することへのためらいは全人口層で減少している。カイザー・ファミリー財団のデータによると、一刻も早いワクチン接種を希望している人の割合が最も高かったのは白人成人で53%だ。一方、ヒスパニック系では42%、黒人の間ではわずか35%との結果になった。
新型コロナウイルスワクチンに対し積極的な態度が広まっている主な理由は、ワクチン接種を受けた人を知り合いに持つ人が増えたことにあるようだ。
カイザー・ファミリー財団のドルー・オルトマン理事長兼最高経営責任者(CEO)は調査結果に伴い、「隣人や友人、家族がワクチン接種を受け、副作用を経験していないことを知ることが効果的であると分かったことが、おそらく何よりも重要な教訓だ」と述べ、「ワクチンに対する信頼が時とともに向上するとの期待が持てる」と続けた。
3つ目のワクチンも近く承認か
ファイザーとモデルナに加え、3つ目のジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンが、米食品医薬品局(FDA)から来月、緊急使用を許可される可能性がある。これらのワクチンは安全で有効性があり、副作用は最小限だ。
米新型コロナ対策諮問委員会のメンバーでホワイトハウス顧問を務める元FDA長官のデービッド・ケスラー博士は先日、米衛星ラジオ「シリウスXM」のインタビューに応じ、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチン開発は「(有効性に関する)データが出る前の最終段階にある」と発言した。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンは、ワクチン供給を増やして米国人の大半に接種させ、集団免疫を獲得する上で重要な役割を果たす。
ケスラーは「これにより装備が大幅に向上し、新型コロナウイルス感染症の流行、あるいは少なくとも現在私たちが置かれている状況からはるかに早く抜け出すことができるだろう」と述べた。