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I'm a Luxembourg-based writer covering European affairs.

アムステルダムのコーヒーショップ(Niels Wenstedt/BSR Agency/Getty Images)

オランダ・アムステルダムで、「大麻ツーリズム」が終わりを告げるかもしれない。

同市のフェンケ・ハルセマ市長は今月、新型コロナウイルス流行を受け導入された渡航制限が解除されるまでに、「コーヒーショップ」と呼ばれる大麻販売店の海外観光客による利用を禁止する意向を示した。

同市初の女性市長で、環境保護に重点を置くハルセマは市議会に宛てた書簡で、「ソフトドラッグを求める人の旅先としてアムステルダムが観光客を引き寄せている」ことに異議を唱え、大麻製品の販売を国民や居住者のみに限定することを提案した。

新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)が起きる前、コーヒーショップや同市の有名な赤線地区の訪問者数は月に100万人を超え、同市の常住人口よりも多かった。2019年にオランダを訪問した人の数は合計約4600万人で、その大半がアムステルダムを訪れていた。その多くは、大麻店で大麻を購入・喫煙していた。

大麻観光に地元は反発


市長の提案は、検察や警察にも支持されている。かつては大規模な規制に反対していたビジネス界も、都心の企業を中心に賛成に回った。その背景には、売春とドラッグが無制限に手に入る都市というアムステルダムの印象を刷新したい起業家が増えていることがある。

オランダでは、南部のマーストリヒトやデンボスなどの都市でも、コーヒーショップにドイツやフランス、ベルギーからの訪問者があふれるようになったため、外国からの訪問客のコーヒーショップ利用が禁止された。

大麻目的の観光客は特に都心で問題となっている。当局は他の観光要素を宣伝し、ホテルやエアビーアンドビー物件の数を減らそうとしてきたが、大麻の需要は年々増大。地元政府が委託した調査では、コーヒーショップ利用を訪問の「非常に重要な」理由とした外国人訪問者は57%に上った。

米紙ニューヨーク・タイムズは「アムステルダムはバルセロナやベネチアと同様、こうした大量の観光客への対応に苦慮しており、歴史地区が観光客であふれ、観光客向けの短期宿泊施設のせいで地元住民の住宅が不足しているという苦情が出ている」と伝えている。

編集=遠藤宗生

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