火星探査
今年中に3件の火星探査が実施され、そのうち2件は着陸を予定している。2021年2月18日には、NASAの探査車「Perseverance」が火星に着陸し、生命体の痕跡を探してこれまでで最も大がかりな調査を行う予定だ。
4月には、中国の探査機「天問1号」が火星に着陸する予定だ。天問1号は2月に火星に到着するが、着陸までの期間は火星軌道を周回する。さらに、アラブ首長国連邦の火星探査機「Hope」も、2月に火星軌道に入る予定だ。このミッションはアラブ初の火星探査で、火星の気候や気象を調査する。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡
赤外線を用いて宇宙観測を行うジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、NASAやESA(欧州宇宙機構)、カナダ宇宙庁が共同開発し、これまで打ち上げが数回延期されてきたが、ついに今年打ち上げられる予定だ。
ハッブル宇宙望遠鏡の後継機であるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、2021年10月31日に「アリアン5」ロケットに載せて地球から150万kmの距離に打ち上げられる予定だ。成功すれば、かつてない壮大な宇宙の画像を送り届けてくれるだろう。
民間宇宙船の打ち上げ
スペースXは昨年末、火星への有人飛行を目指す宇宙船スターシップの試作機「SN8」ロケットを打ち上げ、“腹打ち飛び込み”と呼ばれる飛行を披露した。2021年初めには、新型の試作機「SN9」が打ち上げられ、同じような飛行を行う予定だ。前回は着陸に失敗したが、今回は成功することを期待したい。
さらに、今年中にはスターシップによる軌道飛行が実現するかもしれない。スペースXのCEO、イーロン・マスクは、「80から90%の確率で実現する」と自信をのぞかせている。
新型ロケットの打ち上げ
スターシップ以外にも、複数の新型ロケットが打ち上げられる予定だ。その中で、最も注目されるのは、NASAが2024年に月への有人飛行を目指す「スペース・ローンチ・システム(SLS)」だ。しかし、バイデン次期政権の下では、SLSや有人月探査計画「アルテミス」の将来は不確実なものとなっている。
このほかにも、ヴァージン・オービット(Virgin Orbit)や、ブルーオリジン(Blue Origin)の大型ロケット「New Glenn」、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(United Launch Alliance、ULA)のロケット「Vulcan」、アリアンスペース(Arianspace)のロケット「Ariane 6」の打ち上げが予定されている。