すっかりロックダウン生活にも慣れてしまった。
2020年の出来事を振り返ろうと、筆を持ってみたが時の流れの早さに言葉を失う。我々の生活を大きく変えた“新しい日常”を写真と共に振り返りたい。
1. ソーシャルディスタンス
「ソーシャルディスタンスを保ってください(Social distancing must be practiced.)」
このフレーズを毎日のように耳にするようになった当初、馴染みのない言葉に戸惑った。それが今では、「ソーシャルディスタンスを保っていない状態」に違和感を感じてしまうほど生活に馴染んでいる。
例えば、待合室では、席を間引きして座ることが当たり前になったし、レストランでは、テーブル間に仕切りが立てられている。
筆者撮影
握手やハグで挨拶をする習慣もなくなった。
家で映画鑑賞した際、作中の「握手やハグでの挨拶シーン」や、「人々が密閉空間に集まりパーティーをするシーン」を観ると、反射的にヒヤヒヤしたり違和感を感じてしまう。その時に、いかに「ソーシャルディスタンス」という新慣習が自分の身に染み付いているのか実感する。
画像出典:THE IRISH TIMES
2. テイクアウト・デリバリーのみの営業
ニューヨークで最初の感染者が発覚した2020年3月1日以降、凄まじいスピードで変化するニューヨークの街並みを筆者は現地で目の当たりにしていた。
筆者撮影:2020年3月17日に飲食店の閉鎖が始まった日のタイムズスクエア
3月17日にニューヨークで飲食店が閉鎖され、テイクアウトとデリバリー営業のみに制限された当日、街をみた私はその静けさに唖然としたことを今でも覚えている。
普段であれば観光客で賑わうタイムズスクエアからも人気が消え、急速な街の変化に人々は戸惑いや不安を隠しきれなかった。この頃は、まだ新型コロナウイルスの脅威も半信半疑で、これほどまで長期戦になると予想できた人は少なかっただろう。
3月17日筆者撮影。タイムズスクエアのマクドナルド店頭の「持ち帰りのみ」張り紙
店内からは、テーブルや椅子が撤去され、対応が間に合わない飲食店は閉店を余儀なくされた。
3月17日筆者撮影。タイムズスクエアのマクドナルド店内では店内席が撤去された
3. マスク着用
あれほどマスクを毛嫌いしていたアメリカで、これほどマスク着用が浸透するとは誰が想像したであろうか。
新型コロナウイルスが蔓延し始めたばかりの頃、ニューヨークの街中でマスクを着用しているのは主にアジア人のみだった。「マスクは感染者や重症者がつけるもの」というイメージを持たれていたため、マスクをつけているだけで敬遠されたり、アジア人差別が助長されるケースもあった。
今では、マスクの効果が広く認知され、各国でマスク着用が義務化、マナーと変化した。
「マスクをつけていたら敬遠された頃」から9カ月後、今では、「マスクをつけていないと敬遠される」まで認識が変化した。特に、公共交通機関や店内など、屋内ではマスク着用必須のところが多い。
画像出典:KTSM
最近では、マスクのみでなく、フェイスシールドも日常で目にする機会が増えている。ニューヨーカーの憩いの場、セントラルパークでは、マスクを着用したままランニングする姿も目にする。
画像出典:Philly Voice