「PCR検査・抗体検査受け放題」から3カ月
ニューヨーク市の1週間平均新規感染者数は、感染拡大のピークとなった4月には5200人超となったものの、現在は250人以下に抑えられている。
6月から経済活動が再開されたことで、人の移動が増え、感染再拡大が懸念されていたが、今のところ第二波は訪れていない。早期からニューヨーク市を含むニューヨーク州では、現時点で新型コロナウイルスに感染しているかどうかがわかるPCR検査と、過去に感染していたかどうかがわかる抗体検査を拡充してきた。
クオモ州知事が会見で自らPCR検査のデモンストレーションを行い、いかに簡単かをアピールし、検査を積極的に受けるようニューヨーカーに呼びかけた。
現在では、1日のPCR検査数は約10万件。検査によって陽性が出た場合、追跡調査をし、接触者に検査を受けるよう促している。
ニューヨーク市は、市民なら「誰でもいつでも無料で何度でも」検査を受けることが可能だ。この「PCR検査・抗体検査受け放題」が始まってから3ヶ月が経つ。ニューヨーカーは実際に検査を受けているのか、また検査を受ける動機は何か、ニューヨーカーに話を聞いた。
抗体検査で陽性だったNY在住日本人
PCR検査を受けるニューヨーク・クイーンズ在住の俳優・脚本家Ryuma氏
NY市で無料検査が始まった6月に抗体検査を受けたRyuma氏は、結果が「陽性」だった。ニューヨーク全体が外出自粛期間中だった4月に発熱と味覚障害があり、その時に感染していた疑いがある。
しかし、抗体検査で「陽性」だったとしても、今後新型コロナウイルスに感染しないとは言い切れないため、以降、毎月のように定期的な検査を受けている。
一方、PCR検査の結果では、「陰性」が続いている。街が再開し、外出する機会も増えたことで、感染リスクがゼロではない限り、自分の安心のため、また周りの人のために今後も定期的に検査を受け続けるという。
全て無料で受けられる検査に対し、「この環境に感謝。ありがとうNY」とRyuma氏。
抗体検査のみを受けた、マンハッタン勤務の男性
ニューヨークのPR会社で働くFly氏
ニューヨークのマンハッタン中心地にオフィスを構えるPR会社で働くFly氏は、抗体検査のみを受けた。
彼が検査を受けようと思ったのは、NY市の経済活動が再開された6月。当時は抗体検査の方が積極的にすすめられており、また綿棒を使ったPCR検査に少し抵抗があったという理由から、採血による抗体検査のみを受けた。
PCR検査、抗体検査を両方同時に受ける人もいるが、このようにどちらかの検査のみを受ける人も多い。
結果は、陰性だったが、安心することなく再度検査を受けるつもりだという。夏真っ只中のニューヨークでは外に出る機会や人と会う機会が増えたため、夏が終わる前に念のため再検査を受けるつもりだという。