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専門職の求人を中心に、動画面接がどんどん増えている。応募者が自分で動画を録画するので、スクリーンの向こう側に面接官はいない。それが応募者にとっては、不安を和らげてくれることもあれば、悩みのタネにもなりうる。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる影響や、経費削減、人材採用プロセスの合理化などの理由から、多くの採用担当者は、応募者を直接面接することをやめてしまった。応募者は、選考で二次・三次と進まない限り、自分の上司になる可能性のある人物に会えないことになる。質問したいときはチャットボットを使うよう言われるわけだ。

オンライン面接ソフトウェアのなかには、応募者が再録画できるものもある。録画で自分の言いたいことをうまく伝えられなかった場合に備えてのことだ。「やり直し」ができることで、安心する人もいるだろう。

一方、完璧を求めたがる人や、カメラに向かって話すのが苦手という人の場合は、「1つめの回答は消したほうがいいだろうか」とか「2つめのほうがうまく答えられただろうか」などと、自問自答を果てしなく繰り返すことになってしまうかもしれない。

人前に出ると緊張したり不安を感じたりする社会不安障害を持つ人は、面接官が目の前にいないほうがずっとうまく対応できるかもしれない。社会不安障害の顕著な症状には、「恥をかくような言動をしてしまうのではないか」「無能とか、頭が悪いとか思われるのではないか」と恐怖心を抱くというものがある。社会不安障害を抱える人にとって、スクリーンの向こう側に質問をしてくる人がいない動画面接は、面接官に値踏みされているという思いに苛まれることなく、力を発揮できるチャンスになるだろう。

とはいえ、人間はしぐさや表情といった非言語的な合図を読み取ったうえで、自分が取るべき最善の行動を決定する傾向がある。面接官がいない動画面接では、そうした合図を読み取る機会が完全に奪われている。面接の最中に、自分の出来栄えについて何のフィードバックも得られないと、不安が大きく膨らんでしまうかもしれない。また、面接の終了後に、うまくいったのかどうかを知るすべもない。フィードバックをくれる人が誰もいないのだから。

オンライン面接では、従業員としての適性を判断するための性格診断等のテストが実施されることもあるが、そうしたテストは、採用候補者の可能性を見極めるために使うべきではない。たとえば、最も多用されているテストのひとつ「マイヤーズ・ブリッグス性格診断テスト(MBTI)」は、信頼性の高い確実なデータがあまりないのだ。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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