より良い未来のために、子どもの「共感力」を育む方法

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子どもの共感力を育むには


認定神経療法士で育児コーチでもあるキャサリン・ジャクソン博士(Dr. Catherine Jackson)は、「本格的に共感を育成し始めるなら、5歳から7歳が最適だ」と話す。まわりを意識するようになるのがこのくらいの年齢だからだという。

子どもたちは5歳から7歳くらいを境に、人と人との違いや共通点に気づき始める。また、言語能力や社会的な機能、情緒的な機能が向上し始め、認知面(思考能力や学習能力、問題解決能力)の発達が加速するのもこの年齢だ。

子どもの心に早めに共感の種を植えつけるために、ジャクソンは親に対し、以下の点を心がけるよう勧めている。

1 子どもの気持ちや他の人の気持ちを認め、受け入れること。子どもたちに対して、同じようにするよう教えるうえで大いに役に立つ。

2 子どもの気持ちや他の人の気持ちについて、日常的に話し合うこと。本やテレビ番組、ごっこ遊びに登場する人物について話し合ってもいい。

3. 「私」を主語にして気持ちを述べること。たとえば、「私は〇〇という気持ちだ(そのときの気持ちを表現する)。なぜなら〇〇だからだ(その気持ちが生じた理由を説明する)」というように。必要であれば、「私は〇〇したい(その問題や気持ちを改善できる解決策を示す)」とつけ加えてもいい。そうすれば子どもは、気持ちと、その気持ちが生じる理由に集中できる。

4. 「ごめんなさい」の正しい使いかたを教えること。親は子どもに「ごめんなさい」と謝ることを教えるべきだが、それは子どもが、自分が「悪かった」と感じた理由を正確に説明し、自分の言動の悪かった点について自覚を持ち、そうした言動が相手に与えた影響について理解していることを表現するためだ。こうしたやり方は、共感を築き、他者が何か言ったり行動したりする前にその人の考えや感情に配慮することを意識するうえで、より有益だ。

5. 言葉以外にも目を向けさせること。相手の気持ちを尋ねるのは大切だが、ボディランゲージや「空気の読み方」を子どもに教えると、共感をより深く育むことができる。

親が長い時間をかけ、一貫して共感を育むことが重要だと、ジャクソンは述べている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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