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今の社会にかつてないほど有意義な影響を与えうるものは、「共感」と言えるかもしれない。パンデミック中に他者の安全を守るという話をするにしても、あるいは、現在の政治情勢をめぐる会話を交わすとしても、他者を思いやる気持ちがこれほどまでに欠けていたことは一度もなかったと言えるだろう。けれども次世代の人間は、状況を好転させ、社会全体をより健全な場所にすることができる。そのためには、彼らの心に共感を育み、それをできるだけ高めていくしかない。

ただし親たちは、自分たちにはそうする力があるという自覚を持っていない可能性がある。

「共感」はどの程度生来のものなのか


かつては、人間はある一定の共感力を持って生まれてくるとみられていた。個人がどのくらい他人に共感できるかは、遺伝子構造の一部にすぎないと思われていたわけだ。

しかし、今の研究者は異なる認識を持っている。

「人はみな、生まれつき共感する力を持っている」とForbes.comに対して語ってくれたのは、法務博士(JD)と教育学修士(M.Ed)の学位を持ち、認定専門臨床カウンセラー(LPCC)の資格も持つディーディー・カミングス(Deedee Cummings)。小児セラピストと弁護士の肩書を持つカミングスは、子ども向け書籍も11冊出版している。どれも、共感と希望、心身の健康を維持する方法をテーマにした内容だ。

しかし、誰もが共感力を持って生まれてくるとはいえ、幼少時の育てられ方で、その力が弱まってしまうこともある。

カミングスによると、虐待を受けた、あるいは、親を見て憎しみや恐怖を学んだ子どもは、自分の欲求を優先させる大人や、周囲の人間の基本的なニーズを差し置いて自分を何とかして正当化しようとする大人になってしまう可能性がある。

「このようにして、他人に共感を示す力が失われていく」とカミングスは説明する。

共感を育むことの重要性


共感と、コロナ感染防止策に従おうとする意欲は直接的に結びついていることが、研究からわかっている。共感は、互いに気持ちを通じ合わせようとする能力のカギを握っているほか、暴力や、恐怖に根差した行為も減らしてくれる。そればかりか、共感力の適切なバランスは、不安やストレスの軽減にも関係している可能性がある。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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