米若者の間でがんの診断数が増加 40年ほどで30%アップ

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全体として、がんの診断数は1973年〜2015年の間に30%近く増えていた。同研究によると、若者の間におけるがん診断数の増加に最も寄与していたのは大腸がん、甲状腺がん、精巣がん、黒色腫、非ホジキンリンパ腫だった。研究者らは、若者の間でがんが増加している原因は、環境や生活様式に関する要因や検診・診断の変化を組み合わせたものである可能性が高いと示唆している。

若者の間の肥満率はここ数十年で大きく増えている。大腸がんと肥満に強い関連性があることを考慮すると、若者の肥満率の増加によりがんの診断率が上がった可能性も高い。黒色腫の増加が男性よりも女性の間で顕著なのは、太陽や他の人工的な紫外線源への露出が増えたことが原因の可能性がある。

診断手順の変化もがんの診断数が大きく増えていることに影響を与えている可能性がある。甲状腺がんではがんの検知方法やイメージングが進化したことで、より多くの人このがんの診断を受けるようになった。これは、以前よりも多くの若者ががんになっていることを示しているのではなく、甲状腺がんを患っている人を見つける技術が向上し治療を受けられるようになったことを意味している。

全体的に、がんの診断数は調査対象の42年間で増えていたが、一部例外もあった。肺がんと子宮頸(けい)がんの新たな件数はこの時期に減っていたのだ。その理由はおそらく喫煙率の減少と、子宮頸がんの約70%に有効なヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの発見・接種によるものだろう。

一部の種類のがんが減っている一方で、がんの診断率が42年間で30%ほど増えていることは気がかりだ。若者の間のがんの増加は、肥満率の増加と特定のがんの検知方法の改善で一部説明されるものの、比較的健康な人口集団の中でがんの割合がこれほど大きく増加していることについてはさらなる調査が必要だ。

がんは若者の病死の主要因だ。がん予防法と治療の進化は、若者の健康に多大なプラスの影響をもたらすもので、若者たちはがんと闘病する代わりに自立の道を歩んだり、大人としての生活を始めたりできるようになる。

翻訳・編集=出田静

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