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2021.01.01 07:00

ピーター・ティールの2021年予想、「SPACブームはまだ続く」

ピーター・ティール(Photo by John Lamparski/Getty Images)

ウォールストリートで2020年に最も大きな話題となったのが、SPAC(特別買収目的会社)の上場ブームだ。特に自動運転やEV(電気自動車)などの分野のスタートアップにとって、SPAC上場は短期間で多額の資金を調達するまたとないチャンスとなっている。

一方で、これらの企業の中には収益基盤がまだ脆弱な企業も少なくなく、問題点も指摘されている。しかし、ビリオネアのピーター・ティールは、SPAC上場がもたらした大きな変革を歓迎している。

「SPAC上場を果たした企業の中には評価額が高騰し、実力が追いつくのに何年も掛かるものもある。しかし、新型コロナウイルがもたらした危機により、我々は大きな転換期に直面しており、今こそが21世紀の本当の始まりだと私は考えている。今、ようやくニューエコノミーがオールドエコノミーに取って代わるとしている」とティールは話す。

ティール自身、SPAC上場を果たしたLiDARスタートアップ「ルミナー・テクノロジーズ(Luminar Technologies)」を支援している。同社は、12月3日に「LAZR」のティッカーでナスダック市場に上場した。創業者は、フォーブスの30アンダー30に選出されたこともある光学の天才、オースティン・ラッセルで、本社はカリフォルニア州パロアルトにある。

ルミナーは、SPACのGores Metropoulosとの合併により6億ドルの資金を調達し、IPO前の推定評価額は34億ドルに達した。これにより、25歳のラッセルは、世界最年少のセルフメイドビリオネア(自力でビリオネアになった人)となった。

投資家は、第2、第3のテスラを夢見て、これらの企業に出資しているが、テスラと同様にこれらの企業も、当面の間は赤字経営が続きそうだ。しかし、SPAC経由の方が、従来型のIPOに比べて早く上場を果たすことが可能だ。スタートアップ企業は、ペーパーカンパニーであるSPACと合併するだけで済み、引受手数料やリーガル・コストはSPACのスポンサーが既に支払っているため、IPO費用を安く抑えることもできる。
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編集=上田裕資

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