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2020.08.25 14:30

スタンフォード中退の25歳が率いる自動運転企業Luminarが上場へ

(c) Luminar Technologies, Inc.

自動運転分野からまた新たな上場企業が生まれようとしている。25歳の起業家が率いるLiDARセンサーのメーカーとして注目の「Luminar(ルミナー)」が、特別買収目的会社(SPAC)との合併により米ナスダック市場に上場する。

Luminarは、プライベートエクイティ企業ゴアズ・グループの関連会社Gores Metropoulosと合併し、今年後半にティッカーシンボル「LAZR」で上場しようとしている。合併にあたり同社はGores Metropoulosから4億ドル(約424億円)を調達し、ピーター・ティールやビリオネアのアレック・ゴアズ、ボルボの投資部門などから1億7000万ドルを追加で調達する。

Luminarを2012年に設立したオースティン・ラッセルは、高校時代にカリフォルニア大学アーバイン校のベックマンレーザー研究所(Beckman Laser Institute)で拡張現実(AR)やワイヤレス給電のプロジェクトに関わったことがきっかけで、3D画像技術の開発を思い立った

彼はその後スタンフォード大学に進んだが、2013年にペイパル創業者のピーター・ティールから10万ドルの奨学金を得たため、1年目を終えた段階で中退しLuminarの事業に専念した。Luminarはその後、累計約2億5000万ドルを調達していた。

パロアルトに本拠を置くLuminarは今年5月、ボルボに同社のセンサーを供給する複数年契約を獲得していた。ボルボは同社のセンサーを搭載したコンシューマ向け車両を2022年に発売する予定だ。

「当社は、自動車業界で豊富な経験を持ち、Luminarと自律走行の未来に向けたビジョンを共有するGores Metropoulosと長期的なパートナーシップを結び、次の飛躍を目指していく」と、Luminarを率いるラッセルは述べている。

Luminarは他の自動運転分野のスタートアップと並んで、SPACとの合併というスキームで上場を果たそうとしている。燃料電池トラックのNikola Motorや、LiDARセンサーのベロダイン、EVスタートアップのFiskerやCanoo、電動トラックのLordstown Motorsも同様のスキームで、上場申請を行っている。

SPACとの合併による上場のメリットは、通常のIPOに比べて手続きが早く、低コストに株式公開と資金調達が行えることだ。パンデミックによる経済的打撃にもかかわらず、今年は米国の主要株価指数が急上昇していることを考えると、特に魅力的に映る。

時価総額は約34億ドルに


昼夜を問わず車両の周囲の詳細な3Dマッピングを可能にするLiDARセンサーの能力は、テスラを除く全ての自動運転関連企業にとって必須のテクノロジーと言える(テスラのイーロン・マスクは、LiDAR センサーを「愚か者の使い」と呼んでいる)。

LuminarとGores Metropoulosは、合併後の企業価値が約29億ドルに達し、上場後の時価総額が約34億ドルになると述べている。両社の合併は2020年第4四半期に完了する見込みで、アレック・ゴアーズはLuminarの取締役会に参加する。

さらにLuminarは今回の発表と同時に、開発チームを強化するためミュンヘンに拠点を置くサムスンの自動運転向けプラットフォームDRVLINEのメンバー16人を採用したとアナウンスした。

Gores Metropoulosの株価は今回の報せを受けて8月24日の市場で、7%高となった。

編集=上田裕資

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