大統領選後に保守派も分断? 過激化する親トランプ派のSNS

ジョージア州の集会にて不正選挙を再び主張しているトランプ氏(Getty Images)


いま、FOXにとって代わっているのは、Newsmax(ニュースマックス)やOANN(One America News Network=ワン・アメリカ・ニュース・ネットワーク)などである。FOXニュース以上にトランプを支持し、「選挙否定主義」路線を走る。また、陰謀論に近い話も報じ、トランプも嬉々としてトランプ支持を続けるこれらチャンネルの動画などをリツイートしている。

Newsmaxは、もともと保守的なメディアとして90年代後半に設立されているが、今回の大統領選から、今回の選挙結果を不正であると報じるなどトランプの言動を支持する方向にかなりシフトしている。

極右チャンネルと呼ばれるOANNについては、いまトランプ支持者らの中でもっとも勢いのあるメディアかもしれない。2013年にスタートした同チャンネルは、忠実にトランプ支持を貫き、陰謀論も構わずどんどん報じている。

しかもOANNについては、根拠が薄いと見られる陰謀論なども構わず報じていることから、ツイッターでは頻繁に警告がつけられ、YouTubeにいたっては一時的にその動画を禁止にしたほどだ。

さらにSNSでも、熱心なトランプ支持者らが新たなプラットフォームに移行している。というのも、トランプが「不正選挙」「勝者は自分だ」など根拠のない投稿を続け、ツイッターやフェイスブックから「警告」を受けていることから、トランプ支持者らはいま、「Parler(パルラー)」というSNSを活動するようになっている。


おすすめユーザーに米国では知られた極右や陰謀論者が並ぶ

話題だというので筆者も登録してみたが、登録時のおすすめユーザーが軒並み、米国では知られた極右や陰謀論者だったりする。オールスターと言ってもいいくらいだ。それからしばらくやり取りを覗いてみたが、トランプ支持の著名人などが積極的に発言を続け、動画などを投稿している。極端に行儀の良くない投稿などもあるが、もちろん誰も「警告」を付けられるようなことはない。

アメリカの分断を深めたといわれるトランプ大統領だが、メディアにも地殻変動を起こしているようだ。保守派の中でも、メディアを介して分断が生まれているのである。

文=山田敏弘

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