オーストラリア最大の航空会社であるカンタス航空のアラン・ジョイス最高経営責任者(CEO)は先週、国際線に将来搭乗する際には新型コロナウイルスワクチンを接種した証明が必要になるとの見通しを示した。
ジョイスは豪テレビ局ナイン・ネットワークのインタビューで、「世界中の他の航空会社と話したところでは、これが一般的になるだろうと思っている」と言明。ジョイスは、カンタス航空が利用規約を変更し、「利用前にワクチン接種を受けるよう求めるようになる」と説明した。
米国の大手航空会社の経営者らも同じ結論を出すことは、ほぼ間違いない。デルタ航空のエド・バスティアンCEOは4月、投資家との電話会議で、米政府に求められれば、いわゆる“免疫パスポート”制度の導入を含め「必要なビジネスモデルの変更はどんなものでも行う」と発言。免疫パスポートによって乗客が互いに安心できるのであれば、導入をいとわないとして、「乗客の物理的な安全だけではなく、個人的な安全についての信頼につながる」と述べた。
大多数の米国人は、新型コロナウイルスワクチンの普及後に、航空便の乗客に免疫証明を義務付ける方針を強く支持している。米調査会社ハリス・ポールによる最新のアンケート調査では、米国人の3人に2人(66%)は、ワクチン接種が始まったら、航空機の乗客には搭乗前に接種の証拠提示を求めるべきだと答えている。
さらに、62%もの人が、これが連邦政府により義務化されるべきだと回答。航空各社がワクチン接種を要件とすることを支持すると答えた人も62%に上った。
また同調査では、ワクチンが広く普及するまで航空会社は中央の席を空席にすべきだと考える人が82%に上った。
米航空会社の中では唯一デルタ航空が、中央の席を空席にする方針を2021年3月まで維持すると決めている。大半の航空会社はコロナ流行初期にこの方針を採用したものの、米レガシーキャリアのうち残る2社であるアメリカンとユナイテッドや、格安航空会社(LCC)のフロンティア、ジェットブルー、サウスウエストなどは次々と規制を緩めてきた。