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メディアとエンターテイメント担当

2015年4月15日、NYで開催されたトライベッカ映画祭での(写真左)ジョージ・ルーカスと(写真右)スティーブン・コルベア(Photo by Grant Lamos IV/Getty Images for the 2015 Tribeca Film Festival)



先月のトライベッカ映画祭のトークイベントに集まった映画ファンたちは『スター・ウォーズ』の生みの親、ジョージ・ルーカスの話に真剣に聞き入った。司会のコメディアン、スティーブン・コルベアが「映画界の巨匠であり続けるのは、どんな気分ですか?」と尋ねると、「まあまあ、っていうところだね」と、醒めた調子で答えた。

御年70歳のルーカスは、かつてカーレースにのめりこんだ高校時代の話や、実験映画の制作に明け暮れた駆け出しの頃、さらに1977年の『スター・ウォーズ』第1作の制作にまつわる話を、数百名の聴衆に披露した。

しかし、J.J.エイブラムスが監督する最新作『エピソード7』については、次のようにコメントし、ファンたちを少々がっかりさせた。「新作についてはディズニーに任せてるんだ。私はただ、成功を祈るばかりだね」

1944年生まれのルーカスは、南カリフォルニア大学を卒業後、『ゴッドファーザー』のフランシス・コッポラとの出会いを経て、映画監督としてのキャリアをスタート。1971年にルーカスフィルムを設立し、1972年の『アメリカン・グラフィティ―』で有名監督の仲間入りを果たした。この作品は70万ドルの低予算ながら1億ドルの興行収入をあげ、「興行的に最も成功した映画」とも言われた。

ルーカスによると、『スター・ウォーズ』の配給元の20世紀フォックス社は、1977年当時、この大傑作に大した興味を持たなかったという。彼は経営陣を相手にやりあったことを今でも覚えている。

「これこそがドル箱のエンタテインメントだよ。目を覚ましてくれよ!」

しかし、出来上がったフィルムを関係者に見せても、誰一人この映画が売れると言った者は居なかった。20世紀フォックス社から提示された監督料に納得がいかなかったルーカスは、交渉の結果、映画のマーチャンダイジング権の半分を獲得することで合意。これが、後の彼に莫大な収入をもたらす結果につながった。

「監督としての取り分の50%は受け取ることにした。でも、残りの半分は権利収入で貰うことにしたんだ。私はそうやってリッチになった」

今やルーカスの資産総額は51億ドルに及ぶ。そのほとんどは『スター・ウォーズ』のゲームや玩具などのライセンス収入に由来する。ルーカスは、近年、ヘッジファンドの資金がハリウッドに流入していることにも触れた。

「映画に投資なんかするもんじゃない。ファンドのやつらは上手い話をもちかけて人を食いものにする。そんな話に乗っても、手元には何も戻って来ない」

ルーカスの映画人としてのキャリアは、テクノロジーの分野にも貢献した。ルーカスフィルムのCGグラフィックス部門だったピクサー社は、後にスティーブ・ジョブスに買収されることになった。1975年には特殊効果専門のインダストリアル・ライト・アンド・マジック社(ILM)も設立している。そして、ルーカスフィルムは、2012年にウォルト・ディズニー社に40億ドルで買収された。

「私の友人らの多くは、ヨットを所有している。だが、私は自分の金を金庫にしまって、金にならない映画制作に注ぎ込むつもりだ。若いころに手がけた実験映画の制作。これからやろうとしているのはまさにそういう作品なんだ」

ルーカスは、ウォーレン・バフェットやビル・ゲイツが2010年に始めた慈善活動「Giving Pledge(ギビング・プレッジ)」に賛同し、資産の大部分を寄付すると宣言している。また、「ジョージ・ルーカス教育財団」を設立し、K-12(幼稚園から高校卒業までの12年間の公立教育)の改革に貢献しようとしている。

トークショーの終盤、ルーカスが大きなくしゃみをする場面があった。司会役のスティーブン・コルベアは身を乗り出し、「bless you(神のご加護を)」という決まりの文句の代わりに言った。

「May the force be with you.(フォースとともにあれ)」

文=ナタリー・ロベーム(Forbes)/ 編集=上田裕資

 

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