ビジネス

2020.11.19

コロナ検査キットを取り扱うスーパーマーケットが米国で増加中

Scott Olson/Getty Images

国では、買い物客が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査を受けたり、キットを手に入れたりできる食料品店が増えている。スーパーマーケットのクローガー、ウォルマート、アルバートソンズ、セーフウェイ、ハイビー(Hy-Vee)は、さまざまな選択肢を用意して、買い物客が手早く簡単に新型コロナウイルスの検査を受けられるようにしている。客にとっては利便性がきわめて重要だが、小売店側は正確性とスピードも重視している。

最初はクローガー・ヘルスが、自社が運営するクリニックや自宅で行える新型コロナウイルス検査キット(鼻腔をぬぐうタイプのテストを含む)をそれぞれ提供した。それに加えて2020年10月28日には、店舗内に併設されている薬局2200カ所以上で、検査結果が短時間で判明する抗体検査を提供すると発表した。抗体迅速検出テストはホイットマイア・メディカル(Whitmire Medical)製で、指先から血液を採取。検査料は25ドルだが、結果は15分で出る。

一方、アルバートソンズとセーフウェイは、アイダホ州薬事委員会(Idaho State Board of Pharmacy)と提携し、新型コロナウイルスの自宅用検査キットを州民に無料配布している。アルバートソンズはすでに、遺伝子検査企業のフォスフォラス(Phosphorus)と提携して、自宅用の検査キットを提供していた。こちらは唾液を使った検査で、72時間以内に結果がわかる。

アイダホ州薬事委員会との提携による検査キット配布ではまず、客はオンライン上で簡単な登録フォームに入力。それをアルバートソンズかセーフウェイの薬剤師が確認をする。あとは、唾液検査キットを自宅に郵送してもらうか、店まで取りに行くだけだ。

ハイビーの一部の店舗では、新型コロナウイルス検査キットをドライブスルーで受け取ることも可能だ。客はまず、オンラインで登録して、簡単な問診票に記入。すると、キットを受け取るためのバウチャー番号が発行され、日時が指定される。検査そのものは、ハイビーの薬剤師に指示を受けながらその場で実施し、サンプルを提出する。

他方、ウォルマートはドローンを使って、自分で鼻腔をぬぐってサンプルを採取するタイプの新型コロナウイルス検査キットを配達する。同社は、臨床研究所クエスト・ダイアグノスティクスおよびドローン技術企業ドローンアップと提携し、ネバダ州ノースラスベガスとニューヨーク州チークトワガで、キットの試験配達を実施中だ。

ウォルマートのカスタマー・プロダクト担当上級副社長トム・ワード(Tom Ward)は同社サイト内で、「新型コロナウイルス自主検査キットをドローンで受け取れるのは、ノースラスベガスとチークトワガにある指定のウォルマート大型店舗スーパーセンターから半径1マイル(およそ1.6km)以内にある一戸建て住宅の住民です。キットの着地地点は、受取人の自宅前の私道か歩道、または裏庭で、自動車や樹木の位置によって異なります」と述べている。

食料品店は、買い物客が夕食や翌日のランチを買いに店舗を訪れたついでに、新型コロナウイルスの検査キットを受け取れるようにしたい考えだ。同時に、買い物客たちが、痛みがゼロか、ほとんどないやり方ですばやく正確に受けられる検査を望んでいることを小売店側は理解している。鼻腔をぬぐうタイプでなく、唾液で検査できるキットが徐々に導入されているのはそのためだ。

小売店側のこうした動きにより、消費者が検査を受けられる場所や方法が増えれば、診療所や医療機関の負担は軽減されていくだろう。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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