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2020.11.23 08:30

犬のがん治療スタートアップOne Healthで17億円を調達したカップル


「犬向けの味」も用意


レポートは、FDA(米国食品医薬品局)の承認を受けた人間向けのがん治療薬を犬に投与することも推奨している。FDAの承認を得ていれば、追加の承認を得なくても犬に投与することが可能だという。同社は、調剤薬局とも連携して犬に適した用量を用意したり、ビーフ味など犬向けの味を開発するなどしている。

One Healthは、犬に関する治療結果やゲノミクス・データを人間のがん治療に役立てている。「犬と人間では、変異や生体指標の場所が異なるかもしれないが、データを利用することは可能だ」とLopesは話す。

One Health は、2019年1月にFidoCureをリリースし、70匹の犬の遺伝子解析と治療法の推奨を行った。以来、同社は300以上の獣医と協力して1000匹の犬を治療してきた。同社は科学カンファレンスでこれまでの成果を報告しているが、良好な治療結果が得られているという。

そのうちの1件が、Rosenberg博士が治療した甲状腺がんを患った犬だ。博士は、リンパ節に転移したがんを手術で除去し、One Healthと協力してがんの遺伝子シーケンス解析を行った。その結果、既存薬に反応しそうなターゲットを発見することができ、投薬を行ったという。それから2年が経つが、犬は食事が欲しいときには吠えるほど元気だという。

「Lewisと初めて話したとき、初めて私の求めていることを理解してくれる人が現れたと感じ、とても興奮したことを覚えている」とRosenbergは語った。

編集=上田裕資

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