英小売業の業界団体、英国小売業協会はForbes.comに対し、今回の強制的な休業措置により、小売店が再開する12月2日までに、1週間あたり20億ポンド(約2766億円)ほどの売上が帳消しになる見込みだと述べた。ただし、約束どおり12月2日にロックダウンが解除される保証はない。
小売市場の調査会社リテール・エコノミクス(Retail Economics)の最新モデリングによると、食料品や生活必需品以外を取り扱うイングランドの小売店が被る4週間の売上機会損失は総額90億ドルに上る。11月いっぱい実施される今回の休業措置をめぐる明るい知らせは、オンライン売上が昨年比で39億ドル増になると推定されていることだ。
英国小売業協会のヘレン・ディキンソン(Helen Dickinson)最高経営責任者(CEO)は、こう語る。「小売業にとっては、クリスマス前の悪夢だ。今回の休業が経済的な大打撃となり、何千という小売店の生き残りと、膨大な数の雇用維持に悪影響が出るだろう。春のロックダウンでは、『食料品と生活必需品以外を取り扱う』小売店は、1週間あたり16億ポンド(約2212億円)の売上機会を失った。しかし、今は1年のなかで最も重要なクリスマスのショッピングシーズンに差し掛かっている。損失額が前回より大きくなるのは間違いない」
経営コンサルティング企業KPMGで英国小売部門を率いるポール・マーティン(Paul Martin)も、1年を締めくくる3カ月について次のように述べた。「『ゴールデン・クォーター(小売店が最大の利益を得る10月から12月までの四半期)』は、多くの小売店が年間売上の大部分をあげる時期だ。生き残りをかけた戦いは、これ以上ないほど熾烈になる」
英国を拠点とする多国籍企業アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ(ABF)は11月3日、高い人気を誇る子会社である英ファストファッション・ブランド、プリマーク(Primark)について、新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以降、売上が推定でおよそ26億ドル減、利益が推定でおよそ8億5000万ドル減になったと発表した。