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歯周病は、危険な前がん細胞の発達につながり、大腸がんの原因になりうることが、新たな研究により明らかになった。

「キャンサー・プリベンション・リサーチ(Cancer Prevention Research)」誌で発表された研究では、大腸がんの原因となる大腸内の2種類の異常細胞の発達が調査された。具体的には、鋸歯状ポリープと、一般的な腺腫だ。

研究の筆頭著者であるミンヤン・ソン(Mingyang Song)医学・理学博士は、「歯周病は成人に蔓延しており、米国の人口の40%以上は歯周炎を患っている」と説明している。ソンは、ハーバード大学T・H・チャン公衆衛生大学院で臨床疫学・栄養学の助教授を務めている。

研究チームは、4万2486人の歯周病に関するデータを検証し、大腸内に異常細胞があると診断されたことがあるか否かを研究参加者に質問したのち、医療記録を調べて、実際の診断内容の裏づけをとった。その結果、歯周病を患っている人では、鋸歯状ポリープのできるリスクが17%、一般的な腺腫のできるリスクが11%高いことがわかった。

4本以上の歯を失う結果につながった重度の歯周病を患う人では、鋸歯状ポリープができるリスクは20%高かった。一般的な腺腫については、歯周病を患っている人のうち、1〜3本の歯を失った人では進行性の腺腫のできる可能性が28%高かった一方で、4本以上の歯を失った人では36%高かった。

「歯周病と診断されたことのある人は、大腸がん前駆病変を発達させるリスクが高く、そのうちの一部は最終的に大腸がんにつながる可能性がある」とソンは述べている。「そうした層では、定期的な内視鏡検査と、生活習慣の改善がとりわけ重要になる」とソンは続けた。

歯周病は明白ながんの危険因子とは思えないかもしれないが、これまでにも、膵臓がんや乳がんといった複数種類のがん発症のリスク上昇と関連づけられたことがある。ただし、そうした過去の研究では、歯周病そのものがリスク上昇の原因なのか、あるいは別の要因も関係している可能性があるのかについて特定できていなかった。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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