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元榮太一郎の「激動するこれからの時代で輝くためには」

Fabio Camandona/EyeEm/Getty Images

SNSや匿名掲示板での誹謗中傷が後を絶ちません。総務省が運営する違法・有害情報相談センターに寄せられている相談件数は、これを開設した2010年度から2019年度までで、約4倍に増加しています。

SNS上での書き込みを苦にして、著名人が自ら命を断つ事件も起きてしまいました。誰もが簡単にインターネット上で情報発信ができる現在、有名無名を問わず誹謗中傷にさらされる危険は常にはらんでいます。

なぜSNSでの誹謗中傷はなくならないのか、どんな対策が有効なのか、法律の観点から現在の日本の状況について考えてみたいと思います。

日本における法制度の問題点


今年5月に起きた女子プロレスラーの木村花さんの痛ましい決断の背景には、彼女が出演していたリアリティー番組でのやり取りを見た視聴者たちが、彼女のSNSに誹謗中傷を繰り返したことがあったと伝えられています。

インターネット上での誹謗中傷は、1990年代後半から常に問題視されてきましたが、法の力をもって抑えこむのが難しい状況が続いていました。

その主な要因は、書き込んだ人物の特定が法的に難しく、解決までに長い時間がかかってしまうこと、また仮に人物を特定できて誹謗中傷に対する損害賠償を命じることができても、現在の法律では、誹謗中傷や名誉毀損は「軽微な罪」とされてしまい、その金額が著しく安価なケースが多くなっていることが挙げられます。

日本国内における名誉毀損や誹謗中傷に関する訴訟は、「100万円訴訟」とも呼ばれ、手間が掛かるうえに、裁判に勝っても認められる賠償額は安く、ややもすると弁護士費用すら賄えない状況が続いていました。

こうした誹謗中傷に関する訴訟の難しさについて、女優の春名風花さんと母親が、ツイッターに虚偽の内容が投稿され名誉を傷つけられたとして、書き込みをした人物に慰謝料などを求めたケースをみてみましょう。

今年の7月には、書き込みを行った人物が、春名さん側に示談金315万4000円を支払うことで示談が成立したと各紙で報じられましたが、ここに至るまでには、相当の時間と労力が費やされたのが事実です。

文=元榮太一郎

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