フォーブスが入手した内部文書で、バイデン陣営のジェン・オマリー・ディロン選対本部長は支持者らに向けて、「我々の立場が強いと確信している」と述べつつも、選挙戦は「複数の評論家が示唆するよりもはるかに接戦になる」と分析した。
「勝敗の鍵を握る州で我々は、トランプ陣営と互角の情勢となっている」とオマリー・ディロンは指摘した。その一方で、彼女はアリゾナ州とノースカロライナ州の世論調査で、バイデンの支持率がトランプを3ポイント上回っていることを引用し、「我々は勝利に向かっている」と述べた。
2016年の大統領選でトランプが勝利した背景には、ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンの伝統的に民主党が強い3州(ブルーウォールと呼ばれる)を、共和党支持に取り込んだことがあげられる。直近の世論調査でこの3州はバイデンがトランプを6ポイント以上リードしているが、今回の文書はその事実にはあえて言及していない。
しかし、オマリー・ディロンは、前回の大統領選と同じ事態が再現される可能性を危惧している。2016年の大統領選に向けた世論調査では、スイングステートと呼ばれる接戦州で民主党のヒラリー・クリントンの支持が、トランプを上回っていたが、結果的にトランプが勝利した。
オマリー・ディロンはさらに、10月下旬に新たなサプライズがもたらされる可能性を指摘し、トランプ陣営の能力を過小評価しないように呼びかけた。
民主党のゲーリー・ピーターズ議員は10月16日、ミシガン州デトロイトで開催されたバイデン陣営の選挙集会で次のように述べた。「私はみなさんに2016年を思い返して欲しい。選挙が終わった後のあの朝のことを、ドナルド・トランプが勝ったことを知らされた時の気持ちを。もう少し何か出来たのではないか、と思いましたよね?」
ピーターズはさらに「明日の朝、目を覚ましたらこう考えて欲しい。まだ3週間近い時間があるんだ。もっとやるべきことがある」と聴衆たちに呼びかけた。
オハイオでの差はわずか0.5ポイント
トランプ自身は今回の選挙が「接戦」になるとは考えていない。彼は、メデイアが接戦と報じている全ての州で、バイデンをリードしていると述べている。「我々はフロリダで勝っていると思う、私たちはペンシルバニアで勝っていると思う。私たちはオハイオで、そしてアリゾナでも大きく勝っている」と、14日のラジオ番組に出演したトランプは話した。
彼はさらに16日のホワイトハウスの記者会見で、「世論調査結果から、我々の陣営の勝利を予測している。大きな勝利になる」と述べた。
世論調査のデータ収集サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の17日時点の統計では、バイデンはトランプに全米平均で9ポイントの差をつけている。彼のトランプに対するリードは、ペンシルバニア州では6ポイント、アリゾナ州では4ポイント、フロリダ州では1ポイントとなっている。しかし、オハイオ州ではわずか0.5ポイントのリードとなっている。