人の運は食にあり。パフォーマンスを上げる「少食と咀嚼」のすすめ


次に「よく噛む」について。まず期待できる効果としては、脳が活性化し、食べ物の消化を良くします。また虫歯予防や、ガンや老化の予防にも効果があります。さらに、ストレス解消や肥満防止、毛髪の発育まで、驚くほどたくさんの効果が期待できるのです。ただ噛む回数を増やすだけですから、取り組まない理由はないでしょう。

ちなみに、現代人は1回の食事で噛む回数は約600回だと言われています。弥生時代は約4000回、江戸時代は約1500回噛んでいたと言いますから、劇的に減ってきています。料理が食べやすいようにどんどん柔らかくなり、食事にかける時間が減ったことが主な理由です。常に、よく噛むことを意識してみましょう。

「食べる瞑想」の効果


さらに、よく噛むことを楽しむ方法として、「食べる瞑想」があります。これも実に簡単です。ただ食べる、ただ噛むことに集中するだけ。

瞑想のリトリートなどでは、食事中の会話は禁止されています。大勢の人々が無言で食卓を囲んでいて、とても不思議な光景なのですが、会話を楽しめない代わりに、食べることに意識を集中させることができます。すると、徐々に味が立体的に感じられたり、意外な味や感覚をとらえられたりと、素晴らしい体験へと変わってきます。脳も活性化でき、心もリセットもできるため、食後のパフォーマンスも落ちません。



私はランチを一人で食べることが多いので、この食べる瞑想をよく行っています。瞑想のプラクティスでは、よくレーズンを使用します。

まず、レーズンの色や形、感触、香りなどを五感で感じ取り、その後、口の中に運んだときの感触や味わい、どう噛み砕かれ、どう唾液と混ざり合うかなどをじっくり観察していきます。すると、普段は気づかないようなさまざまな感覚に触れることができるので、感覚が磨かれます。気軽に行えるので、ぜひ一度お試しください。

他にも簡単に日々のパフォーマンスを上げることができる食事法については、「食事法の最適解」本編にまとめています。食事は毎日のことなので、少し意識するだけで、その効果は格段に違ってきます。質はもちろん、食べ方にも少しだけ気を配ることで、思考も研ぎ澄まされていきます。体の感覚と思考の両方が研ぎ澄まされれば、日々が充実し、マインドフルに過ごせるでしょう。

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文=国府田 淳

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