最初は技術部も疑問を抱いていたらしい。「あんな大トルクをフロントに持ってきたら、いったいどれだけ大きなタイヤを履かせなければならないだろう」と悩んでいた。「トラクションをかけるなら、後輪駆動にすべきだ」と。
その走りはというと、ホンダeのラインアップにはエントリー・バージョンとアドバンス仕様があって、後者だったら、154psのモーターで0ー100km/hの加速は8.3秒とまあまあ速い。でも、それよりも重要なのは、街乗りでの瞬間的な加速だね。つまり、電気モーターはガソリン車と違って、アクセルを踏んだら、ガソリン車にあるタイムラグも無く、直感的に加速するので気持ちいい。
1充電最大走行可能距離はWLTCモードで259kmになっているけど、リアルワールドでは、200kmぐらいと思った方が安全だろう。CHAdeMOの急速充電(50kW)を使えば、80%までは30分で回復する。家庭の200Vコンセント(3kW)なら100%まで9.6時間以上かかるようだ。
インテリアのデザインも未来的なリビングのような空間だ。
まず、目に入るのはスクリーンだらけなことと、ウッド調のダッシュボード。そのウッドは意外に出来が良くて、例えばCRーVのウッド調のインテリアよりも見た目も触り心地も良い。でも最近のホンダ車に良くつくギアセレクターはセンターコンソールにあるのだけど、シンプルすぎてあまり綺麗じゃない。
一方、シートのファブリックとステッチのデザインはお洒落だし、USBポートもあるし、100Vのコンセントもあるので、災害時などには炊飯器やコーヒーメーカーは使える。
しかし、無視できないのは世界初の5ディスプレーを水平配置で採用していることだ。
ステアリングホイールの後ろに走行に関する情報を表示する8.8インチのディスプレイがあり、その左に12.3インチのディスプレイが2個並ぶ。当然、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応している。ドアミラーの代わりに、両サイドに設置されたドアカメラが後方のクルマを捉えた画像をドアの内側の小型ディスプレーに映す。
少し慣れが必要だけど、30分ぐらい運転していると、外のドアミラーに目を向けるのではなく、それより内側のディスプレーを見るようになってくる。ドライバーの身長によって多少違うけど、ハンドルを10時10 分に両手を置くと、その小型ディスプレーの2割ほど見えなくなるけどね。だから、その問題を解決するには、手の置き方を変えるか、頭を少し動かしてみる必要はある。
ダッシュボードの両橋にサイドミラーに代わるディスプレイが!