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2020.09.30 08:00

学生たちの間で、SDGsがこれほどまでに認知されているのはワケがある


SDGsを知ったきっかけは──学校、SNS、広告


では実際のところ、MERY世代の若者たちは、SDGsをどんなきっかけで知ることになったのでしょうか。SDGsの認知経路について質問をしたところ、以下のような回答結果が得られました。

●SDGsを知った経緯

SDGsの認知経路
結果を見ると、SDGsの認知度が高い、大学生や高校生の場合、まず一番のきっかけになっているのは、学校であることがわかりました。

というのも、2020年度から文部科学省が提示する学習指導要領が改訂されたことに伴い、各教科において教科書の様々な箇所でSDGsについて触れられています。それを受け、教育現場では、SDGsの理解を深めるためのコンテンツやプログラムの導入が進められています。カードゲームを使って、現在から2030年までの道のりを体験するゲームプログラムなども登場し、親しみを持ちながらSDGsについて学ぶことができるようです。若者がSDGsをより身近に感じている一因であるといえるでしょう。

社会人の場合は、「インターネットで知った」という回答が多くなっています。これには、現代の若者はスマホを見る時間が多く、様々なニュースや情報に触れる機会が多いことが影響していると考えられます。また、所属する会社で推進しているという声も多く寄せられました。

「会社で推進している」(社会人)

「会社でも方針の一つとして打ち出しています」(社会人)

「職場の研修で習った」(社会人)


SDGsの目標達成につながる製品やサービスを開発することは、新規市場開拓や事業機会創出につながる可能性も秘めており、取り組む企業が増えています。また、SDGsに取り組んでいることは、投資家からの評価を高め、顧客にも良いイメージを与えることができます。つまり、SDGsは企業の姿勢をはかるアイコンにもなりつつあり、今後、取り組む企業がより一層増えると予測されるのです。その結果、若者世代におけるSDGsの認知度はさらに高まる可能性もあると、MERYでは考えています。

また、上記以外に、普段の生活を送っている中で知ったという人も多いようです。

「街中の広告で見た」(社会人)

「ファッションブランドのサイトで」(大学生)

「雑誌」(高校生)

「雑誌で知った」(中学生)


近年、アパレル業界では”サステナビリティ”や”エシカル”といった取り組みが数多く取り上げられています。エコを前面に打ち出すことは、ブランドのイメージアップにつながるという狙いもあってのことです。そのため、H&MやZARA、ユニクロといった、若者のファンも多いファッションブランド勢が、雑誌や自社サイト、広告などで大々的に宣伝するようになっているのです。

ファッションブランドの広告等においても、サステナビリティやエシカルに向けての意識を表現したものが増えていることが、彼らへのアプローチになっていることがわかります。SDGsについては、大量生産や供給過多などの問題を抱えがちであるファッション業界にとっても他人事ではなく、取り組むべき課題であるなか、エコに注目が集まり、ヨーロッパを皮切りに、最近では日本においてもサステナブルやエシカルな取り組みを始めるブランドが増えてきています。

このように、ファッションブランドの広告や雑誌を通して、若者たちの目に多く留まるようになったことも、SDGsを身近に感じられる要因といえるかもしれません。
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文=MERY Lab

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