ビジネス

2020.09.30 08:00

学生たちの間で、SDGsがこれほどまでに認知されているのはワケがある


一方で、環境先進国であるスウェーデンのように、「環境に良いものなら多少高くても買う」というところまでは、まだ至っていないようにも感じられます。しかしながら、商品を包装なしで購入すると割引があるといったように自分にもメリットがある場合、エコバッグを取り入れるなど、自分たちでも簡単にできること、自分ごととして捉えられる取り組みには興味を持ち始めています。企業としては、そこを押さえた上でSDGsの取り組みをアピールしていくことがポイントとなるといえるでしょう。

また、企業がSDGsの取り組みを行う場合、既存のビジネスをいかにSDGsを踏まえた事業へ転換していくかを考える必要があります。それに対して若者は、SDGsを前提とした事業やプロジェクトをゼロから作り上げていくことができます。

大須賀さんによると、実際に持続可能な社会に向けての取り組みを日常に見出し、実践する団体も多く見られるそうです。その一つが『早稲田大学環境NPO 環境ロドリゲス』。新入生をサークルに勧誘するために配布するチラシが、毎年膨大な紙ごみの発生につながっていることに注目し、それらをリサイクル業者に買い取ってもらうというプロジェクトです。

廃棄処理されてしまう服からトートバッグを生産している『carutena』というブランドも、学生によって作られたもの。バッグの販売の他、サステナブル×ファッションに関する情報を日々発信しています。

カルテナのwebサイト
carutenaのホームページ。学生たちの熱量を感じる。

以上のように、SDGsの観点に立つと、若者は大人以上に効果的なサービスを生み出す可能性を秘めています。SDGsの達成目標年でもある2030年には、今の若者たちが社会を支えるという大きな役割を担う。そんな若者たちの心を「今からつかんでおく」ことは、持続可能な社会づくりのための大きな推進力になるかもしれません。

文=MERY Lab

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