推定では、学齢期にある子どもたちの80%から90%が、パンデミック中のある時点で学校に通えず、学習環境から離れることを余儀なくされた。世界の多くの子どもたちにとって、学校は単なる学びの場ではなく、はるかに大きな意味を持つ。
今回の研究では、月経がある人の4人に1人が生理用品の購入に苦労する状態が続いていることが明らかになった。学校が児童・生徒に生理用品を提供している地域では、多くの学校が9月からオンライン授業へと移行した結果、児童・生徒の多くが生理用品を入手しにくくなっている。
「生理の貧困」とは、おもに経済的な制約によって生理用品を購入できず、月経に関する知識も乏しい状態を指す。貧困や差別のない社会を目指すNGO「Plan International UK」によると、パンデミックが発生して学校が閉鎖される以前には、月経がある児童・生徒の10人に1人が、経済的な理由で生理用品を購入できないことがあったという。
また、初潮を迎えたときにどう対処すべきかを知らなかったと回答した割合は26%。経済的な問題で、友人から生理用品を借りたことがあると答えた割合は7人に1人。価格が高いため、以前よりも適切ではない生理用品に変更したと答えた割合は19%だった。衝撃的だったのは、児童・生徒の48%が、生理が恥ずかしいと回答したことだ。
多くの慈善団体や組織などが、月経に付きまとうスティグマ(不名誉)や恥ずかしさを排除しようとたゆまぬ努力を続けている一方で、パンデミックのあいだに生理の貧困が悪化したことが研究から明らかになっている。児童・生徒が学校で生理用品を入手できなかったことが、悪化した一因になった可能性がある。