生理を経験した人の多くは、この光景を一度は見たことがあるのではないだろうか。経血が漏れてしまった跡だ。大人になっても、なぜこんな光景を目の当たりにしなくてはいけないのか。そんな苦い思いを抱いたはずである。
生理ショーツを開発した、Bé-A Japan Inc.代表取締役 CEOの山本未奈子もその疑問を抱いた1人だ。アメリカで経血を吸収する下着の存在をビジネスパートナーの高橋くみから教わり、さっそく使ってみた。しかし、満足のいく結果にはならなかった。どうしても漏れが発生してしまう。
そこで日本の技術を使って絶対に漏れない、安心して履けるショーツを作ろうと思い立った。自分の実体験から高橋とともに2年の月日をかけて超吸収型生理ショーツ「BéA(ベア)」を作ったのだ。
日本での国内生産にこだわったショーツは、5層構造になっており、圧倒的な吸収力が特徴だ。一般的に経血量が最も多いとされている生理2日目の平均経血量(30ml~50ml)の3倍以上の液体を吸収。多い日も漏れを気にすることなく、このショーツ1枚で過ごすことができるという。さらに、3~4回もみ洗いした後、通常の洗濯と同じように洗濯機で洗って干すだけで、何回でも使える。
6月1日よりクラウドファンディングで商品を販売したところ、目標金額100万円に対し、7000万円以上が集まり、今もなおその額は増えている。しかし、完成までの道のりは険しかった。山本と高橋にその生理ショーツの誕生秘話を聞いた。
ロンドン大学ユニバーシティカレッジを卒業した2人は、価値観の合う親友だった。「(まずは)日本で一番女性を幸せにする会社」をビジョンに掲げ、2009年にMNC New York Inc.を設立。ビューティーブランド「SIMPLISSE / シンプリス」、ファッションブランド「CALLi / キャリー」、ヘアアクセサリー事業、スパ事業の運営など多数の事業を展開してきた。美容関連以外の事業に初めて取り掛かったのが、今回の生理ショーツだ。
Bé-A Japan Inc.代表取締役CEOの山本未奈子(左)と、同社代表取締役COOの高橋くみ(右)