フラッグシップモデルの価格が高くなったのは中国メーカーに限った話ではないが、多くの消費者は中国ブランドがアップルやサムスンより安いことを当然のことだと認識しているようだ。
中国メーカーの端末が値上がりした大きな理由は、クアルコムが5Gモデムとセットで販売しているチップセット「Snapdragon 865」を搭載していることだ。価格が高くなり過ぎることを考慮し、グーグルとLGはSnapdragon 865を最新モデルに採用していない。
クアルコムはこうした事態を想定し、ミッドレンジのチップセットである700シリーズに新たに2製品を追加した。そのうちの1つである「732G」は、8nmプロセスのオクタコア構成だ。865のように8K動画の撮影はできないが、それ以外の性能はフラッグシップモデルに匹敵する。
732Gは先週発表されたばかりだが、シャオミが9月7日に発表した新端末「Poco X3 NFC」に搭載されている。筆者はPoco X3 NFCを1週間ほどテストしているが、費用対効果はこれまでのスマホの中で最高レベルだと言える。
シャオミのPoco X3 NFC。 撮影=BEN SIN
250ドルを切るお手頃価格
正式な価格はまだ公表されていないが、リーク情報やシャオミのコメントをもとに推測すると、220〜250ドルになると思われる。ディスプレイは6.7インチで、リフレッシュレートは120Hzとなっている。ベゼルの厚さは最小限に設計されており、インカメラの部分だけ穴が開いたパンチホール型となっている。チップセットは前述の通り「Snapdragon 732G」を搭載し、バッテリーは5160 mAhと大容量だ。
サムスンとオッポがリフレッシュレート120Hzのディスプレイ搭載スマホを初めてリリースしたのは僅か6ヶ月前のことだ。両モデルとも価格は1300ドル以上だが、X3 NFCは250ドルを切る価格でリフレッシュレート120Hzに対応している。
低価格を実現するための妥協も
ディスプレイは液晶で、有機ELのように本物の黒を表現することはできない。また、液晶のため、スリープ時でも時刻や通知を表示できる常時表示や、ディスプレイ指紋認証などの機能は搭載しない。ロック解除は、側面の指紋認証センサーで行う。
また、メモリは6GB、ストレージは64GBか128GBと容量は小さめだ。ストレージは、Micro-SDカードを挿入して拡張することができる。防水機能はなく、ワイヤレス充電もできない。
ディスプレイはリフレッシュノート120Hz対応だが、OLEDではなくLCDだ。撮影=BEN SIN